- 出版社・取扱者 : 学研パブリッシング
- 発行年月 : 2015年4月14日
- 本体価格 : 本体2,600円+税
目 次 |
第一部 高野山の歴史と弘法大師の教え 第二部 伝統の振舞料理 第三部 宿坊のおもてなしと精進料理 第四部 家庭でいただく旬の一品料理 第五部 高野山の主な年中行事 高野山の見どころリスト 宿坊リスト 阿字観・お写経のご案内 |
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本書は、2005年に出版された『高野山の精進料理』の新版である。本年(2015年)が、弘法大師空海が高野山に道場を開いてから1200年を経た、節目の年であることを記念して出版されたものである。本山の監修本であり、作法や修行法、寺院名や年中行事などの専門用語の表記、読み方に正確を期している。写真が多用されており、主に高野山で作られている精進料理の紹介、精進の一品料理を家庭で作る際のレシピの記述が中心となっている。しかし、それだけではなく、高野山の歴史、真言密教の教え、寺宝の保存・展示を行う霊宝館所蔵の国宝の童子像についても言及されている。また、見どころガイドや宿坊リストなど、現地で役立つ情報も盛り込まれているので、これから高野山に参詣する予定がある方々には特にお勧めしたい。
本書のテーマである精進料理について、「『精進』という語源は、ただ魚肉を避けた食物を意味するものではなく、宗旨を問わず精神修養を意味した仏教用語です」と言う。この精神は、真言宗に限ったものではない。単なる栄養摂取でなく、仏道を歩む糧として、日々の食事をいただきたいものである。
評者:上杉 泰成(浄土真宗本願寺派総合研究所委託研究員)
掲載日:2015年10月13日