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ひらがな真宗
本の紹介
  • 森田 真円 (もりた しんねん)
  • 出版社・取扱者 : 本願寺出版社
  • 発行年月 : 2013年9月30日
  • 本体価格 : 本体700円+税

はじめに
ひらがな真宗
  キレる*五濁悪時
  昔はよかった!?*老苦
  不安のままで*病苦
  損な人生?*生死いづべき道
  知ってるつもり*迷い
  一本の道*時機相応
  私のためだったのか*法蔵菩薩
  限りないとは?*阿弥陀仏
  二つのタイプ*有見無見
  痛かったやろ!*大慈大悲
  生きる力*他力
  究極の願い*破闇満願
  よびかける声*超世の願
  わたしにまかせよ!*名号
  みんなのお湯*勝易二徳
  むずかしい話*聴聞
  自分を信じる?*疑心
  疑いの旅*信罪福心
  おてんとうさまの光*他力の信心
  何もない慶び*二種深信
  どのくらいの位?*現生正定聚
  称えるこころ*信因称報
  見えないほこり*罪悪深重
  凡夫やからな…*煩悩具足
  ええ所へ生まれる?*往生浄土
  お浄土にかえる?*還相回向
  信仰のおごり*道徳と宗教
  香りたつ人々*善知識
  最も重い罪*誹謗正法
  例えと譬え*伝道
仏教小話
  二匹の猿
  鬼を払われた男
  汾州の合掌
  縁側
  真実という針
あとがき(初版)
あとがき

本書は、2000年に初版が出版され、多くの方に親しまれ読まれ続けてきた一冊である。この度、再版に際して新書化された。

浄土真宗の要となる教えを、難解な専門用語を使わずにわかりやすい言葉で30の短編と5つの小話として語っていく。著者と親交の深い東光爾英・本願寺派司教が本書の「はじめに」で、「どのテーマからでも本当に気軽に読め、また、どんな場所にいる時でもさっとポケットから出して読める」と記しているように、初めて浄土真宗のみ教えに触れる方にも最適である。しかもそれぞれの短編の内容は、ただわかりやすいだけではなく、非常に深いものがある。親鸞聖人が阿弥陀様のお慈悲をおよろこびになられたことを、著者のさりげない日暮しと重ね合わせ、的確な例話で表現されており、どこを読んでもお慈悲に満ち溢れている。本書を読み進めていくうちに、何とも言えない安心感と、心地よさに包まれていくであろう。


評者:大江 宏玄(浄土真宗本願寺派総合研究所研究協力者)


掲載日:2015年11月10日