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宗教と現代がわかる本2013
本の紹介
  • 渡邊 直樹 (わたなべ なおき) 責任編集
  • 出版社・取扱者 : 平凡社
  • 発行年月 : 2013年3月8日
  • 本体価格 : 本体1,600円+税

特集
<宗教者ニューウェーブ 今と向き合う宗教者たち>
「心の相談室」のその後と臨床宗教師(谷口 洋三)
傾聴移動喫茶カフェ・デ・モンク(金田 諦應)
メディアを駆使する若き宗教者たち 松谷信司・波勢邦生・難波真実・池口龍法・露の団姫・松本紹圭(西出 勇志)
インターネット仏教メディア「彼岸寺」(松島 靖朗)
ゲームとネットと仏教(蝉丸P)
釜ヶ崎で活動する宗教者たち 本田哲郎・園田克也・梁南喆・金鐘賢・立石貴美子・立石達成・杉林好弘(白波瀬 達也)

座談会
大人気ネットラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」(釈 徹宗・江田 政亮・宏林 晃信・若狭 健作・福島 旭・谷口 雅美)

カラーグラビア 
伊勢神宮第六十二回式年遷宮へ向けて(藤田 庄市)

インタビュー
伊勢神宮の遷御での、ありがたく不思議な体験(岡野 弘彦)

テーマ 
シリア問題の背景とイスラーム(末近 浩太)
インドネシア・イスラームは「寛容」か?(小川 忠)
総合的ブータン学研究拠点の誕生(熊谷 誠慈)
孤独な巡礼者の終わりなき旅(岡本 亮輔)
誤解を招くイスラーム報道、三つの教訓(師岡カリーマ・エルサムニー)
「ゴミ屑」にならない言葉を(末木 文美士)
式年遷宮の意義(河合 真如・廣津 悟)
『古事記』一三〇〇年の読まれ方(斎藤 英喜)
ゲーム世代と神話(平藤 喜久子)
死者を生きる(若松 英輔)

レポート
宗教的「いのち」言説の陥穽(安藤 泰至)
戦争を肯定する仏教、否定する仏教(大谷 栄一)
職場のスピリチュアル・ケア(藤原 聖子)
世界宗教間交流(伊藤 憲宏)

人物評伝
新島襄 キリスト教精神で日本を救う(増田 晶文)

座談会
「オウム真理教事件」を大学生にどう伝えるか(井上 順孝・櫻井 義秀・藤田 庄市・高橋 典史)

2012年データ集
索引
『宗教と現代がわかる本2013』の編集・刊行にあたって(渡邊 直樹)

2007年に創刊された『宗教と現代がわかる本』。毎年、医療、映像、震災など時代を象徴する鮮度の高いトピックスを取り上げ、宗教との関係を様々な角度から論じている。

2013年版の特集テーマは「宗教者ニューウェーヴ 今と向き合う宗教者たち」。そこに登場する宗教者の活動は、アクティブかつバラエティに富んでいる。たとえば東日本大震災の被災地で苦悩に向き合い寄り添う活動。あるいは、インターネットやフリーペーパーなど、時代に即した表現で宗教を伝えようとする試み。住職、牧師、宮司の3人の個性的なパーソナリティがゲストと双方向で展開するラジオ番組など、現在進行形の新しい宗教活動がうかがえる。

本書には、単に目新しい事例を集めて総括するだけでなく、近未来の宗教界のトレンドを形成していくパイオニア誌の側面もあるのではないだろうか。活躍している宗教者を本誌が取り上げているのか、それとも本誌が指し示したトレンドに触発された宗教者が新たな取り組みを始めているのか。卵が先か、ニワトリが先か。そのような期待をもって本誌を眺めれば、毎年の発刊が実に楽しみになってくる。


評者:加茂 順成(浄土真宗本願寺派総合研究所研究助手)


掲載日:2013年9月10日