- 出版社・取扱者 : 興山舎
- 発行年月 : 2008年12月1日
- 本体価格 : 本体2,100円+税
目 次 |
はじめに 第1章 なぜ供養するのか 第2章 なぜ位牌を祀るのか 第3章 なぜ戒名法名がいるのか 第4章 なぜ焼香するのか 第5章 なぜ数珠が必要なのか 第6章 なぜ合掌礼拝するのか 第7章 なぜ袈裟をつけるのか 第8章 なぜ正坐なのか 第9章 なぜ「声明」なのか 第10章 なぜ鳴り物があるのか あとがき |
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著者は大正大学名誉教授(仏教学)。特に法華思想の研究で知られるが、仏教儀礼への関心も高く、儀礼に関する論文なども著している。本書は、その著者が、全宗派寺院住職向け総合実務誌『寺門興隆』(月刊)に連載している「仏教儀礼入門」の一部を書籍化したものである。
葬儀や法事などの仏教儀礼を執り行う際、「なぜこのようなことをするのだろう?」「こんなことしなくてもよいのでは?」と疑問を持ったことのある人は多いだろう。本書は、位牌・焼香・数珠・正坐などの由来や、これらが我々の生活の中に定着するに至った経緯の解明に取り組んでいる。
仏教に関心のある人でも、儀礼の側面を軽視する人は少なくないが、定着に至る経緯を見ていくと、「仏教のなんたるかを説かんがために、工夫に工夫を重ね、懸命に努力してきた僧侶らの足跡をも垣間見ること」(まえがき)ができる。仏教儀礼に関心を持つ人だけでなく、仏教思想に関心を持つ人にとっても興味深い一冊である。
評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2009年5月11日