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コラム伝道 / 情報の扱いは慎重に

お説教には本のような著作権がありませんから、どこかで聴いた話を引用することが多くあります。しかし、記録されない気安さからか、どこかで聴いた話を、また聞きのまま、よく確かめずに引用することも多いようです。

お聖教の言葉などは、簡単に確認することができますし、それによって勉強にもなります。他の情報も、辞典やインターネットなどで調べることが出来ますので、話の内容に責任を持つ意味でも、情報はきちんと確かめる習慣をつけたいものです。

ただし、個人のホームページやブログなどに書かれている情報は、確かめずに引用されている場合も多くありますので、注意が必要です。

よくお説教で聞く話に、「門徒もの知らず」が「物忌み知らず」の誤伝だという話があります。「門徒もの知らず」とは、占いやまじないに頼らず、阿弥陀仏一仏を信じて他の神仏や習俗に興味を示さない門徒の特徴をよくあらわした言葉で、単に無知だということではありません。

それを非難のように感じて、近年になって誰かが言い出したのが「物忌み知らず起源説」ですが、「門徒もの知らず」より前に「門徒物忌み知らず」という表現が使われていた例はなく、根拠のない説なのです。しかし、誰ひとりその情報の真偽を確かめないまま、伝聞によっていつのまにか広まりました。

その例からわかるように、簡単に情報が手に入る時代だからこそ、情報の扱いは慎重にしたいものです。

2008/01 教学伝道研究センター委託研究員 清基秀紀