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参考資料の紹介

法話は仏徳讃嘆です。仏徳は、お聖教聖典に明かされています。その聖典のご文について、自己流の間違った理解、あるいは中途半端な知識による曖昧な内容の話を語ってしまうことは慎まねばなりません。わからないことは、聖典のご文をたずね、辞書や参考文献などで調べたりするなどの習慣を身につけましょう。
 確かな資料にもとづいて、聖典に説かれる仏徳(ご法義)を味わっていく必要があります。そのような学習のために参考となる資料、および法話のヒントを与えてくれるような書籍をここに紹介します。
 なお、ここに紹介する書籍のなかには、出版社で在庫切れのものもありますので、ご確認ください。

布教伝道に関する文献

布教方法に関するもの

布教団連合(伝道部)編 『布教の作法と心得』

布教時の作法や心得を、布教団連合が1冊にまとめた。

服装や入退出・布教時の作法、布教の依頼を受けた時から、実際の布教にいたるまでの心得など、基本事項が網羅された実用書。

伝道部 編 『伝道』

年2回の発行。布教使・住職・僧侶の布教伝道活動の資料として利用されたい。

中央仏教学院 編 『伝道要義』 本願寺出版社 1982

伝道の意義、伝道の方法、伝道の種類と実際、伝道と教団、伝道と言語など伝道についての原理と実践について講じている。中央仏教学院の教科書。

基幹運動本部事務局 編 <ブックレット基幹運動1>
『寺報―文書伝道の手引き―』

基幹運動の上から教化伝道活動や基幹運動の実践活動をめぐる事柄や課題を、テーマごとに取り上げたシリーズ「ブックレット基幹運動」。

「寺報」による文書伝道の手引き書。巻末には、豊富な実際の作成例を掲載。

基幹運動本部事務局 編 <ブックレット基幹運動12>
『掲示伝道』

「掲示伝道」による文書伝道の手引き書。

「掲示伝道」の語源・歴史・方法・効果について、簡略にまとめて記されている。

また巻末には、門徒推進員による活動事例や豊富な文例を掲載する。

基幹運動本部事務局 編 <ブックレット基幹運動14>門信徒会運動
『話し合い法座』

「話し合い法座」の定着化こそ、門信徒会運動の最大の成果である。

「全員聞法・全員伝道」のスローガンのもとに始まった話し合い法座について、その目的や実践の方法を学習する。巻末には資料・註が付されている。

豊島学由 『僧侶の道―法話の基礎的学習―』 1992

大谷光真ご門主の著『住職のこころ』の趣意に沿い、第一線で活躍中の布教使が、本願寺派僧侶の使命を語る講演録。
広く教伝道を志す者に向けてまとめられた書。

三宮義信 『真宗布教法』 永田文昌堂 1995

先哲の布教に関する指南書をもとに、布教の基本ともいう布教論が簡明に論じる。また具体的な布教の方法や心得などにも言及する布教の入門書。

山口教区布教団 青年布教使の会 編 『布教を志す方々へ』 探究社 1993

実際に布教に携わる編者によって、布教を志す多くの若い仲間の心得をまとめた書。布教の作法に関して具体的に記述している。構成は「布教の作法と内容」「真宗伝道の本質」からなる。

布教研究所 編 『布教法入門』 百華苑 1961

内容は、武邑尚邦「仏教伝道史」、二葉憲香「真宗伝道史」、山本仏骨「布教実習―実演と準備」など。

大西憲明・山崎昭見 『現代仏教教化法―原理と方法―』 百華苑 1982

教育学の視点からみた伝道方法を述べる。布教伝道について学問的に学ぶことができる。

僧侶必携編集委員会 編 『僧侶必携』 永田文昌堂 1980

僧侶または住職として必須の項目を具体的に述べる。法話から掲示伝道の例まで伝道の各種について例示する。また、法要儀礼の執行から寺院運営のノウハウまで掲載した実用書。

龍谷大学伝道部 編 『今、伝道が問われる―龍谷大学伝道部創部65周年記念「恒河」―』永田文昌堂 1996

龍谷大学伝道部創部65周年を記念して、現代の伝道を課題として綴られた法話集。伝道部OB・歴代部長が執筆を担当。

武田龍精 編 『親鸞思想と現代世界Ⅱ 親鸞とアメリカ―北米開教伝道の課題と将来―』永田文昌堂 1996

アメリカ開教の現状を紹介することで、伝道に関する問題とその賛否両論が掲載され、浄土真宗の伝道を考えることのできる書。

法話集など

* 本願寺出版社より刊行されている法話集をカテゴリー別に紹介します

詳細は本願寺出版社のHPをご覧ください

大谷光真門主 著 『門主法話集』

ご門主のご法話やご講演をまとめた法話集。

「さとりと信心」

「まことのよろこび」

浄土真宗教学研究所 編 『朗読法話集』

朗読して浄土真宗の教えを味わうことができるようにまとめたもの。

第一集 仏教の教え、浄土真宗の教え、仏事、作法など。

第二集 「正信偈」依経段をもとにした朗読法話。

『ほうわ・HOWA・法話』

短くても、心に響く法話を、各執筆者がB6判の小冊子にまとめたもの。施本にも最適。

『みほとけとともに 西本願寺の時間』

ラジオ「みほとけとともに ―西本願寺の時間」で放送された法話を収録。

仏教婦人会総連盟 編 『生涯聞法シリーズ』

「私の生涯聞法」

「仏法に出遇う」

「信心の道」

「お念仏に生きる」

「仏事といわれ」

「報謝の実践」

『みんなの法話』

一編200字程度の法話を集めたもの。

(財)同和教育振興会 編 『同朋運動法話集』

「ひとしずくのことば」

「仏教に生きる」

教義・安心に関するもの

聖典

『淨土眞宗聖典(原典版)』
『淨土眞宗聖典 七祖篇 (原典版)』
『浄土真宗聖典(註釈版第2版)』
『浄土真宗聖典 七祖篇(註釈版)』
『浄土真宗聖典(現代語版)』

浄土三部経  歎異抄 蓮如上人御一代記聞書 顕浄土真実教行証文類 一念多念証文 唯信鈔文意 尊号真像銘文 三経往生文類 如来二種回向文 弥陀如来名号徳

浄土真宗の拠り処とする聖典としては、『浄土真宗聖典(原典版)』があります。定評ある善本を底本とし、それに諸種の対校本を用いて、文献学的に厳密な校異がなされています。

『浄土真宗聖典(註釈版)』は「原典版聖典」に準拠して、親しみやすく正しく理解できるようにという配慮のもとに編纂されています。

また現代語に翻訳された「現代語版聖典」も発刊されています。

浄土真宗本願寺派 編 英訳親鸞聖人著作集
The Collected Works of SHINRAN

親鸞聖人全著作と歎異抄の英訳集。

本文が収められた第一巻と索引や解説を収録した第二巻よりなる。

英語圏の僧侶、門信徒、海外伝道を志す人のための聖典であると共に、整備された英訳によって浄土真宗の教えを学びたい人に最適のテキスト。

聖典の解説書

浄土真宗教学伝道研究センター 『季刊せいてん』

これから浄土真宗聖典について学ぼうという人のための学習誌。

年4回発行

『聖典セミナー』シリーズ

各種聖典を丁寧に解説した好著。下記の聖典について発刊されている。

  • 稲城 選恵 『浄土三部経I 無量寿経』
  • 梯 實圓 『浄土三部経II 観無量寿経』
  • 瓜生津 隆真 『浄土三部経III 阿弥陀経』
  • 梯 実圓  『教行信証[教行の巻]』
  • 黒田 覚忍 『三帖和讃I 浄土和讃』
  • 北塔 光昇 『三帖和讃II 高僧和讃』
  • 浅井 成海 『三帖和讃III 正像末和讃』
  • 霊山 勝海 『親鸞聖人御消息』
  • 梯 實圓 『歎異抄』
  • 宇野 行信 『御文章』
  • 藤澤 量正 『蓮如上人御一代記聞書』

教義・安心に関する解説書

勧学寮 編 『新編 安心論題綱要』

平成14年に改定された「安心論題」のテキスト。

安心に関する17論題を「信」「行」「得益」に類別して編纂。

従来の25論題から検討し、合説、不掲載、新設、区分移動の改定があり、17論題となった。

研修部 編 勧学寮 監修 『真宗の教義と安心』

浄土真宗の教えを本願・名号・信心・称名・利益に集約、初学者にも理解できる内容。学階を希望する人だけでなく、僧侶の全般に応じるような、安心の要義書として作成された。

新「宗制」解説書作成委員会・法制部 編集 『浄土真宗本願寺派「宗制」解説』 2008

2008(平成20)年4月1日より全文変更された「浄土真宗本願寺派宗制」が施行された。「宗制」では、本尊・聖教・教義・歴史・宗範など、宗門の最高法規として宗門の成立において極めて重要かつ原則的な事項が規定されている。その内容を全般にわたり詳細に解説。

勧学寮 編 『釈尊の教えとその展開 -インド篇-』 2008

浄土真宗を生み出した仏教の思想、教義の展開を歴史的、系統的に解説。本書はインドにおける釈尊の教説とその展開、すなわち原始仏教、部派仏教、大乗仏教の教義展開について、仏教入門書として編纂。勧学寮真宗講座、宗学院別科でのテキストとして発刊。

勧学寮 編 『浄土三部経と七祖の教え』 2008

『浄土三部経』の概要、および親鸞聖人が七祖と仰がれたインド、中国、日本の高僧方のご生涯と著述、教えの特徴が明らかに。体系的に真宗教学を学びたい方に最適の書。勧学寮真宗講座のテキストとして発刊。

内藤 知康 『安心論題を学ぶ』 2004

真宗の教義の根幹を学んでいくために設けられた安心論題。

現行の安心論題17題について綿密に解説。

み教えをより的確に学習するために最適な一冊。

辞書・資料

*学術的な辞書類はたくさんありますが、ここには法話を作成する際に参考になり、また簡便に利用できる辞書類を紹介します。

辞書類

中村元、田村芳朗、末木文美士、福永光司、今野達[編集]
『岩波仏教辞典―第二版―』岩波書店 1989(初版)2002(第二版)

仏教の思想と文化について網羅的に解説されたハンディな仏教辞典。第二版は、初版より新たに600項目を増補し、4800項目が挙げられている。

水野弘元、中村元、平川彰、玉城康四郎[編集]
『仏典解題辞典 ―新・仏典解題辞典 第二版―』 春秋社 1966(初版)1977(第二版)

仏教の学習に重要な経典407(インド124・中国101・日本113他)を選び、その成立・内容・研究状況などについて解説。

また、インドから日本に至る仏教の流れの概説や学習に便となる参考文献が挙げられている。新版では、51項目が増補され、407部の典籍が取り上げられている。

金子大栄、大原性実、星野元豊[監修]
『真宗新辞典』 法蔵館 1984

浄土真宗の思想と文化・歴史について、各派にわたる事項を網羅。項目4500項目、索引件数12000を数える。巻末附録には真宗略年表、真宗十派宗主歴代一覧表、各派歴代花押、親鸞字典がある。

河野法雲・雲山龍珠[監修]
『真宗辞典』 法蔵館 1935(初版)1994(改訂版)

浄土真宗の教義や歴史、名刹、学匠や妙好人等の略伝など広い項目にわたり解説されている。

柏原祐泉 薗田香融 平松令三 [監修]
『真宗人名辞典』 法蔵館 1999

浄土真宗の僧侶をはじめ、関わりの深い人物約2300名(物故者)を収録する。索引件数は9000項目に及ぶ。浄土真宗本願寺派・真宗大谷派安居講師、講本一覧・真宗十派宗主歴代一覧など巻末附録も充実。

『日本仏教人名辞典』 日本仏教人名辞典編纂委員会 [編集] 法蔵館 1992

古代から平成3年まで日本仏教に関連する7100人を収録。別称・異称など索引は12万5000項目。巻末には「花押一覧」を掲載。

森 章司 [編著]
『仏教比喩例話辞典』 国書刊行会 2005(復刊)

苦・慈悲など仏教の思想・概念が仏典のなかでどのような比喩で表されているかを解説。比喩を通して思想内容そのものの内容も丁寧に解説されている。東京堂出版より1987年に出版されたものを増補改訂し復刊。