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例話の紹介 / (2)一粒の丸薬

【概要】

ちまたにどうしても治らない疫病が流行した。世界中の医者が、どんな薬を処方しても効きめがないと、みなさじを投げてしまう始末。
ところが、ある一人の名医が工夫に工夫をこらし、実験に実験をくり返して、一粒の丸薬を作りあげた。この薬を重湯でたった一口のむばかりで、この難病は全快できる。
世界中の医者は感心して、みなその薬をのませるようになった。どこの医者がのませても薬は一つ。それもそのはず、ほかの薬では治らない病である。
いま、私どもの無明煩悩の大病は、難化の三機、難治の三病である。八万四千の法薬も、まったく効きめがあらわれない。十方諸仏の医者たちも、とても治すことはできないと、ことごとくさじを投げられた。
助かる見込みのない大病人を、阿弥陀如来の名医は思案され、作りあげられた南無阿弥陀仏の妙薬。ご教化の重湯で一口のめば、いかなる疑いの大病も明信仏智と全快して、極楽往生まちがいなし。
であるから、十方諸仏の医者たちも、こぞって南無阿弥陀仏をほめたたえ、教主のお釈迦さまも、南無阿弥陀仏のお薬一つを私たちにお勧めくださるのだ。

【解説】

  • ・阿弥陀如来の名号の功徳は万行に超え勝れており、それゆえにあらゆる仏がたがことごとく南無阿弥陀仏をほめたたえられていることをあらわす例話です。
  • ・田淵静縁『布教大辞典』(法蔵館)より。