- 出版社・取扱者 : アルファポリス
- 発行年月 : 2018年04月30日
- 本体価格 : 本体1,300円+税
目 次 |
はじめに 第1章 本当の幸せは日常の中にある 第2章 人の気持ちを感じ取る心の豊かさ 第3章 ”気づき”から学ぶことの尊さ 第4章 自分らしく生きるという意味 おわりに |
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本書は、著者が日常生活の中で見つけた「小さな幸せ」をもとに、生き方について考えた一冊である。
著者は「幸せ」を見つけた一例として、掃除をあげている。著者は掃除をすることに楽しさを感じている。なぜなら、掃除をしながら思わぬものを見つけることがたびたびあり、それが「常識というものを見直す」(146ページ)きっかけとなったからである。その経験から著者は、掃除をすることは、普段気づかない所に目を向けさせることになり、「仕方なく」ではなく集中して取り組むことによって、いつもなら見過ごしていることに気がつけるようになる、と語っている。
この他にも、「実は世の中は私たちを支えてくれている思いで溢れています。そういう意味では、誰も孤独ではないのです」(93ページ)と記している(本書は極力仏教用語を使わないようにしているので書中に出てこないが、これは仏教の「縁起」の教えから導き出されることである)。
つまり、「幸せ」はどこか遠くにあるのではなく、身近にあるのである。
幸せになりたい―こう願わない人はいないはずである。しかし、「幸せ」とは「なる(事態を変化させる)」というより「見つける(すでにある)」ものであって、仏教の教えを通して日々の生活を見直せば、さまざまな所に「幸せ」を見つけることができると示している、と評者には感じられた。本書のサブタイトル「幸せはあらゆる瞬間にあなたのそばにある」は、それを端的に表していると言えよう。