HOME > 読む! > 仏教書レビュー > 本の紹介

ブッダに学ぶさとりの言葉
本の紹介
  • 出版社・取扱者 : 仏教伝道協会
  • 発行年月 : 2018年03月27日
  • 本体価格 : 本体650円+税

第I章 真理のことば
第II章 仏のたとえ話
第III章 仏教の説話
第IV章 真理の教え
第V章 ブッダの生涯
付録

ホテルや旅館に泊まると、部屋にオレンジ色の本、『仏教聖典』が備え付けられているのを見かけたことがある人は多いであろう。この『仏教聖典』は、「私たちの心の糧となる」(「まえがき」)よう、(公財)仏教伝道協会がさまざまな仏典の言葉を抜き出して、平易な言葉に置きかえたものである。日本語だけでなく46カ国語に翻訳され、国内はもとより62カ国のホテルに寄贈されている。

本書は、その『仏教聖典』のガイドブックとして発行されたものであり、『仏教聖典』の言葉から選び出し、それに解説を加えている。内容は特定宗派に偏るものではないので、立場にとらわれずに読むことができる。

仏典の言葉とその解説は、多くが見開きに収まっており、長いものでも4ページ。しかも、一つ一つの内容が独立しているので、順番を気にせず読むことができる(第V章「ブッダの生涯」のみ、18ページにわたる)。

仏教というと、葬儀など亡き人との関わりが連想されやすい。しかし本書を読めば、仏教とは「どう生きればほんとうの幸せが得られるのか」(「まえがき」)を知る手がかりをあたえてくれるものだということがうかがえる。仏教の教えを通して、「ほんとうの幸せ」について考えたいものである。


評者:多田 修(浄土真宗本願寺派総合研究所研究員)


掲載日:2018年7月10日