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一冊でまるごとわかる日本の13大仏教
本の紹介
  • 瓜生 中 (うりゅう なか)
  • 出版社・取扱者 : 大和書房(だいわ文庫)
  • 発行年月 : 2014年10月15日
  • 本体価格 : 本体740円+税

まえがき
第1章 仏教の誕生
第2章 奈良時代から続く宗派
第3章 平安時代に開かれた宗派
第4章 鎌倉時代以降に開かれた宗派

「日本の13大仏教」とは、法相宗、華厳宗、律宗、天台宗、真言宗、融通念仏宗、浄土宗、浄土真宗、時宗、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗、日蓮宗のことである。いずれも、長い伝統を持つ現存の宗派である。本書は、それぞれの宗派について解説されており、日本の仏教を概観することに主眼が置かれている。主に、宗派の成立背景、辿ってきた歴史、所依の経典、教えの内容、主要な僧侶とその事跡、代表的な寺院等について述べられている。項目別に記述がされており、非常に読みやすい。どのページから読んでも違和感のない構成である。写真や図説を用いながら、地名の由来や語源となった語句などの周辺知識についても盛り込まれている。また、目次の後には、大和・飛鳥時代から昭和にかけての、日本史および仏教史の年表が付随しており、当時の状況が把握できるようになっている。もっとも特徴的なのは、宗派を理解する上で外せないキーワードが、太字で強調されており、押さえておくべき事柄を明確にしている点である。

 多少、誤字やルビの間違いが見受けられるが、それを差し引いても、随所に「なるべく平易に」という著者の工夫が見て取れ、入門書としての完成度は高い。日本の仏教について学ぶ際に、最初に手に取っていただきたい書である。


評者:上杉 泰成(浄土真宗本願寺派総合研究所委託研究員)


掲載日:2015年3月10日