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仏陀 南伝の旅
本の紹介
  • 白石 凌海 (しらいし りょうかい)
  • 出版社・取扱者 : 講談社
  • 発行年月 : 2010年12月9日
  • 本体価格 : 本体1,700円+税

はじまりは、ブッダ・ガヤー
第一章 仏陀の出現
第二章 スリランカの仏教
第三章 ミャンマーの仏教
第四章 タイの仏教
第五章 インドシナ三国の仏教
おわりも、ブッダ・ガヤー
あとがき

仏教はインドで誕生し、その後、北方と南方へと流伝した。私たちは、北に伝わった仏教、とりわけ大乗仏教の伝播については、多くの情報に触れる機会がある。しかし、南方に流伝した仏教については、一般に紹介される機会が多いとは言えない状態にある。

本書は、タイトルにもある通り、スリランカや東南アジア諸国といった南に伝わった仏教の姿を、著者である白石凌海氏が、実際に当地を歩き、また史書の情報を駆使して、説き明かしたものである。著者は各地の様々な伝承を豊かに採取し、その伝承をもとにしながらその地の仏教の「信仰」の歴史を明らかにしている。この手法によって、どのように、それぞれの地域に伝播し、受容され、多様なあり方を確立し、人々の心のよりどころとなっていったかが、明らかになっている。スリランカ、ミャンマー、タイ、インドシナ三国に伝わった仏教の豊かさに触れたい方にお薦めの一冊である。


評者:藤丸 智雄(教学伝道研究センター常任研究員)


掲載日:2011年4月20日