- 出版社・取扱者 : 日本放送出版協会(生活人新書)
- 発行年月 : 2009年2月10日
- 本体価格 : 本体740円+税
目 次 |
はじめに 第1章 釈尊の教え-「釈迦に説法」 第2章 仏と覚り-「覚りの前には仏もなし」 第3章 菩薩の心-「人を助くるは菩薩の行」 第4章 諸天・明王の救い-「天人の五衰」 第5章 地獄と極楽-「聞いて極楽、見て地獄」 第6章 高僧に倣いて-「弘法も筆の誤り」 第7章 先祖を敬う-「盆と正月が一緒に来たよう」 第8章 生活の道しるべ-「塵も積もれば山となる」 第9章 仏教で洒落る-「恐れ入谷の鬼子母神」 終章 仏教文化の言語伝承 参考文献 |
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著者は大正大学教授。大乗仏教の菩薩思想を専門とする傍ら、江戸時代よりの「仏教ことわざ」を研究している。本書は既刊の『仏教ことわざ辞典』(溪水社)を書き改め、「仏教ことわざ」から仏教を学ぼうというものである。
江戸時代に仏教が庶民にまで定着し、仏教にまつわるさまざまな言い回しなどが生まれた。本書ではこうしたものを「仏教ことわざ」と称し、これを通して仏教の思想・文化、信仰のあり方などを検証している。また、このようなことわざは「いささか皮肉や軽蔑といった逆説的な言い回しで、苦労の多い庶民生活の生きざまを支えてきた」(117ページ)ものもあると言う。
本書が紹介する「仏教ことわざ」には、今では使われなくなったものも多い。しかし著者は、ことわざは生活の知恵を伝えたものであるとして、「過ぎし日の言い習わしを今に受け継いで、今に生きる私たちの生活により生かしたい」(246ページ)と述べている。
評者:伊東 昌彦(教学伝道研究センター研究助手)
掲載日:2009年8月10日