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現代の人間と宗教*15講 -仏教への道-
本の紹介
  • 薗田 坦 (そのだ たん)
  • 出版社・取扱者 : 法蔵館
  • 発行年月 : 2009年3月19日
  • 本体価格 : 本体1,800円+税

まえがき
第1講 現代の宗教的境位
第2講 宗教現象の多様化
第3講 人間生活と宗教
第4講 人間について1
第5講 人間について2
第6講 宗教的要求の成立
第7講 非日常性と宗教
第8講 哲学と宗教
第9講 宗教の立場-仏教への道
第10講 釈尊の教え-四諦・八正道をめぐって
第11講 仏教の根本思想-縁起の思想を中心に
第12講 仏教の発展と伝来-インド・中国・朝鮮
第13講 仏教の日本伝来と聖徳太子
第14講 日本における仏教の展開-聖徳太子から親鸞へ
第15講 『歎異抄』に見る親鸞の教え-人間と宗教
参考文献
あとがき

著者は京都大学名誉教授(宗教学)。現在、仁愛大学の学長を務めている。同大学は、「万物に対する慈しみの心」(仁愛)を備え、それを具体的に実践できる人間の養成を「建学の精神」として掲げており、そのことへの理解を深めてもらうために、新入生を対象とした講義を設けている。本書は、著者がその講義で語ったことなどをまとめたものである。

どんな宗教系の大学においても、在籍する学生が宗教に無関心であることは決して珍しくない。著者が「あとがき」で述べている通り、そうした学生の宗教への関心を惹起し、特定の宗教の教えを説くところまでもっていくのは容易なことではない。これは、宗教に関係のある他の大学でも同様である。

本書が取っている「宗教→インド仏教→日本仏教」という流れ自体は、他の仏教系の大学(あるいは中学・高校)の授業にも見られるであろうが、本書の際立った特徴は「宗教→インド仏教」への流れにおいて、著者の専門分野の知見が存分に活かされている点にある。本書は、現代社会における「宗教」としての仏教のあり方を考える上で重要な一冊である。


評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)


掲載日:2009年8月10日