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マンハッタン坊主つれづれ日記
本の紹介
  • 中垣 顕實 (なかがき けんじつ)
  • 出版社・取扱者 : 現代書館
  • 発行年月 : 2010年6月30日
  • 本体価格 : 本体2,000円+税

はじめに
冬の章
春の章
夏の章
9・11の章
秋の章
終わりに

中垣顕實氏は、ニューヨークのマンハッタンにある「ニューヨーク本願寺仏教会(New York Buddhist Church)」の住職。

本書は、超宗派の仏教徒たちが運営するウェブサイト「彼岸寺」内に設けられた中垣氏のブログ「作務衣で歩くマンハッタン」を書籍化したものであり、2009年の一年間、著者の周囲で起こった出来事や感じたことなどが綴られている。アメリカ仏教の最前線にいる僧侶が記した、「現場」に関するレポートとして貴重なものであるが、その記述の中で特に印象的なのが、公的な場で、「インターフェイス(interfaith)」、すなわち宗教・宗派の垣根を越えた活動が頻繁に行われていることである。本書では、著者によるこうした行事の記述を通して、アメリカ社会における「宗教」の重要性を垣間見ることも出来る。

なお、本書には、日々の出来事とならんで、著者自身の9・11同時多発テロの際の体験の記録が含まれている。あまり報道されることのなかった、当時の現地の宗教者たちの対応などを知ることが出来ることも、本書の特徴の一つである。


評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)


掲載日:2010年8月10日