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シリーズ大乗仏教5 仏と浄土
本の紹介
  • 高崎 直道 (たかさき じきどう) 監修
  • 桂 紹隆 (かつら しょうりゅう)
  • 斎藤 明 (さいとう あきら)
  • 下田 正弘 (しもだ まさひろ)
  • 末木 文美士 (すえき ふみひこ)
  • 出版社・取扱者 : 春秋社
  • 発行年月 : 2013年10月10日
  • 本体価格 : 本体3,200円+税

第1章 浄土思想の理解に向けて
第2章 大乗の仏の淵源
第3章 浄土に生まれる女たち―文献学としての仏教学の意義
第4章 維摩経の仏国土
第5章 阿仏とその仏国土
第6章 阿弥陀仏浄土の誕生
第7章 浄土と穢土-“悲華経”概観
第8章 浄土教の東アジア的展開

「仏と浄土――仏教のありようを実感することのできる、これほど身近な言葉は、仏教の教義においてほかに存在しないだろう」(はしがき)

1981年、大乗仏教について体系的にまとめられた「講座大乗仏教」(春秋社)の刊行が始まり(4年後に全10巻で完結)、仏教を学び始めたばかりの人から研究者にいたるまで、多くの人に読まれ続けてきた。そして2011年、同社から新たに「シリーズ大乗仏教」全10巻の出版がスタートした。

仏教に関して今更新しいものを出す必要があるのかと思われるかもしれない。しかし、この30年だけを見ても、仏教研究は目ざましい進展を遂げている。個々の典籍の研究はもちろんのこと、「大乗仏教」と呼ばれるものがどのようにして発生したのか、ということ自体もまた、未だに議論がされる問題である。これは、新資料の発見に加え、これまでの定説への批判的な分析、他分野の研究成果の導入などによる。本シリーズでは、一線で活躍する研究者が、最新の研究成果を踏まえて「大乗仏教とは何か」に迫る。

シリーズ第5巻のタイトルは「仏と浄土」である。少し専門的ではあるが、浄土に言及する経典をはじめ、インドや中国の浄土信仰などから、大乗仏教について多角的に学ぶことができる。


評者:真名子 晃征(浄土真宗本願寺派総合研究所研究助手)


掲載日:2014年1月10日