目 次 ・ 収 録 内 容 |
●特集 「仏典翻訳のこれまでとこれから 」 「仏典漢訳史概略」編集室 「インドの言語について」壬生泰紀 「二大訳聖・鳩摩羅什と玄奘の翻訳」釆睪 晃 「仏典漢訳の具体相」編集室 「〈無量寿経〉の異訳と訳者」佐々木大悟 「仏駄跋陀羅と宝雲」編集室 「仏典和訳の現在」大竹 晋 コラム 「現代語版シリーズの刊行」編集室 書籍紹介 「船山 徹『仏典はどう漢訳されたのか―スートラが経典になるとき』」編集室 私たちの読んでいる漢文経典が、インドの言語から中国語へ翻訳(漢訳)されたものであることはよく知られているところです。しかし、具体的なことについては、意外に知らないことが多いように思います。また、仏典翻訳は過去の出来事であると思われがちですが、そんなことはありません。国訳あるいは現代語訳という形で、今日の日本においても日々仏典翻訳の作業が進められています。 ●はじめの一歩1 エピソードで読み解く信心の世界 (終) 三浦真証 「井上哲雄」 これまで六人の先哲(法霖・深励・七里恒順・足利義山・高松悟峰・前田慧雲)を紹介しつつ、そのエピソードから浄土真宗の信心の世界を読み解いてきました。思えば、これらの原稿が書けたのは、先哲のエピソードを記し伝えてくれた書籍が多く残されていたからでした。しかし一方で、それら書籍を残してくれた人物が注目されることは多くありません。 今回は、彼らへの感謝の意味も込めて、先哲方のエピソードを今に伝えてくれた人たちの中から、井上哲雄師(1898~1990)を紹介して、このシリーズを終えたいと思います ●はじめの一歩2 幸せってなんだろう―悪人正機の倫理学―32 藤丸智雄 「反抗期と倫理学―お念仏が与えてくれる倫理の基盤―」 多くの人が経験する反抗期。なんだかわからないけど、イライラ、ムカムカ…。皆さんは、ご自身の経験を覚えていらっしゃいますか?少しづつ自我が芽生え、他者や社会とのズレに葛藤する時期ですが、このズレをこれからどのようにとらえていくのか、学ぶ時期でもあるようです。阿弥陀さまのみ教えとともに、私たちのものの見方について考えてみましょう。 ●せいてんアレコレシリーズ 2 編集室 「『教行信証』×こだわり」 「せいてんアレコレシリーズ」は、聖典を読んでいて気になる、あんなことこんなことにフォーカスし、聖典を学んでいくコーナーです。 今回は、親鸞聖人の主著『教行信証』を取り上げます。『教行信証』は、親鸞聖人が晩年にいたるまで改訂を重ねられた書であり、その内容にこだわり続けられたものですが、今回は主に親鸞聖人の文章表現、言葉使いの「こだわり」に注目します。 ●聖典セミナー『安心決定鈔』5 満井秀城 「名号と阿弥陀仏」 今回のテーマは名体不二。私たちが帰依する対象は、阿弥陀仏という覚体と南無阿弥陀仏の名号のどちらなのかという議論がありますが、実は阿弥陀仏という覚体と名号は別々のものではないことについて、今回解説いただいています。更にこの名体不二の話に加えて、南無阿弥陀仏の名号についての学びも深めましょう。 ●せいてん流「字音」探訪 11 林 龍樹 「漢音の『阿弥陀経』」 聖典にまつわる漢字音の奥深い世界を探訪するコーナー。誰かに話したくなる「なるほど」情報をお届けしています。今回は、本願寺派に伝わる漢音読みの『阿弥陀経』についてです。日本の仏教では、古来より幅広く呉音(ごおん)と呼ばれる漢字音が用いられてきました。ところが、中にはおつとめの際に、私たちが日常で用いる音に近い漢音で読むことがあります。その歴史を探ってみましょう。 ●法語随想 4 堀 靖史 「まづ善信(親鸞)が身には、臨終の善悪をば申さず……」 私たちはつねづね「よりよく生きたい」「よりよく〈いのち〉を終わりたい」と考えることがあります。浄土真宗の教えをいただくものは、こういった思いをどのように考えればよいのでしょうか。堀先生は、ご病気でご往生されたお義姉さまの生き方や亡くなり方を通して、阿弥陀様の救いについて味わっておられます。 ●読者のページ せいてん質問箱 4 貫名 譲 「教えを聞くと苦しみはなくなるの?」 読者からの浄土真宗に関する質問にお答えするコーナー。貫名先生の最終回となる今回は、浄土真宗の根幹に関わる内容です。先生ご自身の体験を交えながら、やさしく丁寧にお答えくださいました。 ●人ひとみな 寄り添い歩むお坊さんに (終) 小岱 海 「大丈夫だよ」 お寺だけでなく、広く様々な社会問題に関わり活動する小岱さんのエッセイです。この連載を通して感じたのは、小岱さんがタイトル通りの「寄り添い歩むお坊さん」だということでした。最終回は、ジェンダー問題についての思いをお書きくださいました。 ●念仏者はいま 中央仏教学院学院長・福間義朝 「人こそ宝なれ③」 中央仏教学院学院長・福間義朝さんのお話の完結編です。 今回この取材で初めて福間さんにお会いしましたが、物腰も雰囲気もとてもやわらかい方でした。しかし、芯には、伝道者としての強い覚悟があり、それがご法話の魅力の秘密なのかなとも感じました。今回も必見の内容です。 ●西の空―心に響くことば 「雪がふる」(木村無相) 心に響くことばを美しい写真とともにお届けするコーナー。生きることは苦しみ悩みの連続。だからこそ仏さまはいつもいつも私たちに寄り添ってくださっている。今回の詩からは、そんなことを思いました。 |
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季刊せいてん no.149 2024 冬の号 |