
目 次 ・ 収 録 内 容 |
●特集 「地域からみる浄土真宗」 「浄土真宗寺院の現在」編集室 「東北の浄土真宗―〈親鸞直弟系〉と〈蓮如直弟系〉―」草野顕之 「東海の浄土真宗―戦国大名による迫害をこえて―」安藤弥 「北陸の浄土真宗―有力寺院が動かした歴史―」本林靖久 「九州の浄土真宗―各藩の方針が生んだ地域性―」岡村喜史 コラム 「聖典にみられる地域の食―苦菜会(にがなえ)―」編集室 親鸞聖人はその生涯において、京都や関東を中心に浄土真宗のみ教えを説かれました。聖人の没後、そのみ教えは日本全国へ広がっていくことになりますが、それぞれの地域へ伝播していく時期やきっかけなどについては、必ずしも一様でなかったようです。いつ・どのようにして、み教えが各地へ伝わっていったのでしょうか。本号では東北・北陸・東海・九州という四つの地域に着目し、その特色を窺います。 ●はじめの一歩1 日本の浄土教 (新) 梯 信暁 「飛鳥・奈良期の浄土教」 日本には長きにわたる浄土教の伝統があり、日本の文化や日本人の精神世界に大きな影響を与えてきました。しかし、私たちが日本の浄土教について学ぶ機会はあまり多くないように感じます。インド・中国・朝鮮と伝わってきた浄土教がどのように日本で展開したのか、どんな人たちが浄土教をつないできたのか、民衆の心に定着したのはいつ頃なのか……。 本連載は、意外と知らない日本の浄土教について、梯信暁先生に解説いただくものです。今回は、今から約一四〇〇年前、飛鳥時代・奈良時代の浄土教です。 ●はじめの一歩2 幸せってなんだろう―悪人正機の倫理学―33 藤丸智雄 「釈尊と孔子―〈仁〉と〈慈悲〉は、どこが違うのか―」 同時代シリーズ第二弾。今回は、中国で生まれ東アジアの文化に大きな影響を与えた孔子の思想をとりあげ、仏教との違いに迫ります。釈尊が説く「慈悲」と孔子が説く「仁」。どちらも他者を大切にする思いということでは相通じるようですが、どのような点が異なるのでしょうか。また、その違いは、何に起因するのでしょうか。 ●せいてんアレコレシリーズ 3 編集室 「『歎異抄』×喜怒哀楽」 「せいてんアレコレシリーズ」は、聖典を読んでいて気になる、あんなことこんなことにフォーカスし、聖典を学んでいくコーナーです。 今回は『歎異抄』のなか、特に「感情」に着目してその内容をうかがいます。親鸞聖人や唯円など、登場する方々の感情の動きを詳しく想像しながら読んでいくと、『歎異抄』の言葉がより活き活きと聞こえてくるかもしれませんよ。 ●聖典セミナー『安心決定鈔』6 満井秀城 「色心功徳の機法一体」 「色心功徳の…」という、いかにも堅いタイトルを見て、サッとページを閉じようとされた方、少しお待ちください。このたび講義をいただく内容は非常に重要です。なぜなら、『安心決定鈔』当面の文意と、蓮如上人の理解との間で隔たりがあるからです。それは言い換えれば、読み方によっては他宗の理解に陥る可能性があることを意味します。両者が具体的にどのように異なるのか、意識しながら学んでいきましょう。 ●せいてん流「字音」探訪 12 野村淳爾 「促音は表記しないの?」 聖典にまつわる漢字音の奥深い世界を探訪するコーナー。誰かに話したくなる「なるほど」情報をお届けしています。今回は日本語の音の一つである「促音」のお話。促音は小さい「ツ」などで表記される、いわゆる「つまる音」のことで、現代では当たり前に表記されますが、日本語の歴史の中では表記しない時期がありました。聖典の拝読においても、促音を知ることでちょっといいことがあるかも!?。促音のマニアックな世界へようこそ! ●法語随想 (新) 福岡智哉 「釈迦・弥陀は慈悲の父母 種々に善巧方便し……」 親鸞聖人は、しばしば仏さまのお慈悲のはたらきを父母に重ねて表現されます。今回は『バガボンド』の本位田又八と母スギによる、切なくもあたたかいエピソードを通して、阿弥陀様のお慈悲についてご法話をいただきます。 ●読者のページ せいてん質問箱 (新) 上野隆平 「〈唯識〉ってどんな教え?」 「唯識」という教え・考え方があることは知っていても、具体的にその内容を説明できる方は意外に少ないのではないでしょうか。そんな方に今回は、「唯識」の原語の意味からはじまり、基礎的な内容について上野先生がやさしく丁寧に解説くださいます。 ●人ひとみな お坊さんママ奮闘記!? (新) 南條成美 「〈フリーペーパーののさま〉の編集長として伝えたいこと」 南條成美さんは、若手僧侶が刊行している浄土真宗の情報冊子「フリーペーパーののさま」の編集長です。二児の母であり、僧侶としても活動する多忙な南條さんが、どんな思いをもち、どんな工夫をして教えを伝えようとしているのか、語っていただきます。 ●念仏者はいま 龍谷大学大学院 実践真宗学研究科特任教授・葛野洋明 「伝道の心得①」 龍谷大学の教授であり、布教使としても活躍されている葛野洋明さんにインタビューさせていただきました。 今回は、永年、伝道布教に携わってこられている先生の活動の原点に関わるお話です。様々に活動するためには、若い頃にどのような基礎を築くことが大事なのでしょうか。 ●西の空―心に響くことば 「しらぬは」(木村無相) 心に響くことばを美しい写真とともにお届けするコーナー。なんでも知っているつもりで、なんにも知らない私。そんな私をすべてお見通しの仏さまは、今日もあたたかく見守ってくださっています。 |
---|