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2022年度一緒に学ぼう 第8回『新制 御本典作法』「正信偈」第二種(十二礼の節)② 講座の内容

「一緒に学ぼう 西本願寺のおつとめ」は、聖典に説かれている内容を学び、一緒に声を出して唱え方を学ぶ講座です。
今年度は、「正信偈」を中心に学びます。講座は「座学」と「実践」の二部に分かれ、前半の「座学」の時間は、総合研究所の研究職員が、「正信偈」に説かれている教えの内容について解説し、後半の「実践」の時間は、おつとめを指導する専門講師が、合掌礼拝などの作法や「正信偈」のとなえ方についてやさしくお伝えします。

第8回『新制 御本典作法』「正信偈」第二種(十二礼の節)②

日時 2022(令和4)年12月13日(火) 10:00~11:30
会場 Zoom(オンライン開催)
講師 座学 塚本一真(総合研究所上級研究員)
実践 林知仁(本願寺式務部知堂)
人数 37名

当日の内容

【座学の内容】

 第8回目の座学では『正信偈』の中、「依釈段」源空章にあたる「本師源空明仏教」~「必以信心為能入」(『新制 御本典作法』27頁~28頁)、および全体のまとめの四句、「弘教大師宗師等」~「唯可信斯高僧説」までの内容について学びました。

1.源空聖人とは

 「本師源空明仏教」とは、親鸞聖人の師である源空聖人について、仏教について学ぶ尽くされた方であると讃嘆されている一句です。
 源空聖人は9歳で出家得度されますが、それには父の最期の言葉がきっかけとなったとも伝わります。夜襲に遭い瀕死の重傷を負った父、漆間時国が病床に伏している前で、幼き源空聖人は必ず仇討ちをおこなうと告げます。しかし、漆間時国は「恨みを重ねてはならない」といい、恨みの根本を解決する方法を求め、仏道を志すよう言いのこされたのでした。そして出家された源空聖人は15歳ごろ比叡山に登り、「智慧第一の法然房」と呼ばれるほどの才覚を発揮されます。そして、18歳頃には「法然房源空」と名のられておりました。そして、源空聖人が43歳の時、七高僧の一人でもある善導大師の『観経疏』のご文を読み、専修念仏の教えに帰入されます。
 その後、山を下りて民衆に念仏の教えを弘められた源空聖人は、念仏の教えの肝要を『選択集』にあらわし、浄土宗すなわち専修念仏の独立を宣言されました。こうして、日本において専修念仏を宗とする教えが誕生したのでした。
 さて今のご文には「本師」とあるように、親鸞聖人は29歳のときに源空聖人の弟子となられました。そのとき源空聖人は69歳でした。親鸞聖人は源空聖人を心から敬い、「源空聖人の教えでたとえ地獄に墜ちたとしても決して後悔しない」とまで仰っています。

2.選択本願の教え(「憐憫善悪凡夫人」~「選択本願弘悪世」)

 ここでは、源空聖人の代表的な教えである「選択本願」と「専修念仏」について示されています。
 「選択本願」とは阿弥陀さまによって選択(せんじゃく)された第十八願を指します。阿弥陀さまが仏になるとき四十八の誓願を立てられました。その中でも、生きとし生けるものを漏らさず救う方法として選ばれたのが、第十八願に誓われた「南無阿弥陀仏」の法でした。
 「南無阿弥陀仏」は時間や場所を選ばず、歩いていてとどまっていても、座っていても寝ていても唱えることのできます。さらにその念仏ただ一つを称えることで往生の要件はすべて足りることが『選択集』では明らかにされていきます。従って、私たちが浄土に生まれるためには念仏一つを専ら称えることが肝要であり、他の諸行は私が浄土に生まれるためには必要がありません。これを「専修念仏」といいます。
 ではなぜ、あらゆるものを救うために選び取られた行が念仏なのか。『選択集』には、念仏以外の諸行を、家を建てる柱や梁だが、南無阿弥陀仏の称名は家そのものだと示されています。つまり念仏にはあらゆる諸行の功徳が具わっているから、お念仏一つだけで私たちの往生は定まっていくのだと源空聖人は明かされました。

3.まとめ

「弘経大士宗師等~」からは全体のまとめにあたります。
 今まで学んで来ましたように、「あらゆるものを救う」という阿弥陀さまの本願を、お釈迦さまは『仏説無量寿経』として説かれました。そしてその法は、七高僧によってインド、中国、日本へと渡り、いま親鸞聖人のもとに届いています。親鸞聖人はこのことを喜ばれ、そして私たちにこの念仏の教えを勧めてくださっています。
 さらにいえば、親鸞聖人にまで阿弥陀さまの本願の教えが届いたからこそ、私たちがいまお念仏をいただくことができました。私たちも親鸞聖人と同じく七高僧が明かされたお念仏の教えを仰ぎ信じたいものです。

 以上のことを、座学の時間で学びました。

【実践の内容】

 第8回目の実践の時間では、前回に引き続き、「新制 御本典作法」より「正信偈」第二種(十二礼の節)のとなえ方について学びました。詳細は前回に譲るとしまして、今回は前回の補足する点を取り上げ、以下に示したいと思います。なお、文中に( )で出される算用数字は、『新制 御本典作法』(本願寺出版社)のページ数を表しています。

1.墨譜(はかせ)に関わる補足

 ・「新制 御本典作法」には第一種と第二種とがある。この中、「十二礼の節」は第二種にあたる。経本でいうと右側の墨譜となる。

 ・出音「商」とは五音の一つ。五音とは「宮・商・角・徴・羽」の五つの音のことで、音階(スケール)を表す。

 ・経本を見ると「壱越調」とあるので、「壱越調(≒D調)」から始まる五つの音階である。西洋音階の近い音に当てはめてみると、「宮」から「レ、ミ、ソ、ラ、シ」という音階となる。

 ・墨譜は文字の橫にある線のことで、旋律(メロディ)を表している。

 ・つまり今回は壱越調の「商」は「ミ」の音となる。

 ・同音である「南無不可思議光」は「ソ」からはじまる。

 ・十二礼の節では、「五劫思惟~」から墨譜がない。これは前の四句のメロディを繰り返すということ。

2.最後の4句のとなえ方の補足

 ・「弘経大士宗師等」(28)以降からは旋律(メロディ)が変わる。左側の墨譜を見ないように注意。

■「道俗時衆共同心」

 ・「道俗」の「ハル」について。「どう」の「う」をとなえてから張るように音を上げておとなえする。

 ・「時」「衆」「共」の「スク」(読み方はスグ)について。「スク」とは「真っ直ぐ」という意味で、真っ直ぐの音でとなえる。

 ・「衆」のあと、息継ぎをする。

 ・「道」の「カナ上」について。「ど」のまま一音(「ラ」の音まで)上げてから、「う」を発語する。

     →「ハル」と「カナ上」が難しいが、「う」を言ってから音を上げるか、音を上げてから「う」を言うかの違いを意識する。

■「唯可信斯高僧説」

 ・出音は「ソ」。

 ・「斯」の「イロ」について。「シ」の音で「し」をとなえ、一気に「ラ」の音まで上げ、そのまま、「ラソ、ラソ、ラソ」と3回音を回すようにとなえる。このあとに、息継ぎをする。

 ・「高」「僧」は「受下(ウケオリ)」、「こ(そ)」と発音したまま音を(「ラ」から「ミ」まで)おとし、そのまま音を伸ばしながら最後に「う」を発音する。落としてからの方が長く伸ばす。

 ・「説」の「つ」は発音せず、口のかたちだけ「つ」にしてささやくように。

  以上のことを実践の時間では学びました。

 次回からは、「新制 御本典作法」の「正信偈」のなか、いよいよ和讃譜について学んでいきます。ぜひこの機会にご参加ください。

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