- 出版社・取扱者 : 自照社出版
- 発行年月 : 2010年6月6日
- 本体価格 : 本体800円+税
目 次 |
真実の宗教-『大無量寿経』のこころ-(梯 實圓) 苦悩と大悲-『観無量寿経』のこころ-(中西 智海) 阿弥陀仏と浄土荘厳-『阿弥陀経』のこころ-(瓜生津 隆真) あとがき(瓜生津 隆文) |
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表題の「浄土三部経」とは、浄土教のよりどころとして重視されている『大無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』のこと。
本書は、その3つの経典それぞれの要点を、浄土真宗の教えに精通した3名の講師が解説した講義録である。まず最初に収められているのが、梯實圓・本願寺派勧学による『大無量寿経』の講義。この経典の中に説かれている、「あらゆる者を救う」という誓い(本願)の説明を中心として、この経典の内容が「南無阿弥陀仏」の一言に納まることを解説している。次に収録されているのが、中西智海・本願寺派勧学による『観無量寿経』の講義。この経典が伝える「王舎城の悲劇」〔インドのマガダ国で阿闍世(あじゃせ)太子が父・頻婆裟羅(びんばしゃら)王を殺害し、母・韋提希夫人(いだいけぶにん)を幽閉した事件〕の内容や、親鸞聖人の『観無量寿経』の見方が紹介されている。最後に収められているのが、瓜生津隆真・京都女子大学名誉教授による『阿弥陀経』の講義。阿弥陀仏の助けを信じ、喜び、お任せして、感謝することこそが、この経典の要点であると示している。
評者:前田 壽雄(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2010年9月10日