- 出版社・取扱者 : 大東出版社
- 発行年月 : 2012年2月22日
- 本体価格 : 本体2,800円+税
目 次 |
序 宗教としての仏教 一 大乗仏教を貫くもの 二 浄土教とは何か 三 源信の思想 四 法然の思想 五 証空の思想 六 親鸞の思想 七 一遍の思想 八 西田幾多郎の仏教−真宗とのかかわりを中心に あとがき |
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浄土教とは一般に、「南無阿弥陀仏」と念仏を称えることによって極楽浄土に往生する教えと考えられている。日本においては鎌倉時代ごろ民衆に広まった。本書は、この日本浄土教の思想の展開を解説した一冊である。
本書は、浄土教の根柢には大乗仏教を貫く仏の大悲による救いが本質にあると指摘し、つづいて阿弥陀仏を主題とする『無量寿経』の内容と、中国・日本浄土教の要点を概説している。その後、源信和尚・法然聖人・証空上人・親鸞聖人・一遍上人のそれぞれの思想の核心を明らかにしている。特に、法然聖人の高弟であり一遍上人へ影響を与えた証空上人や、近代の人物として西田幾多郎を取り上げている点に、本書の特徴がある。
日本浄土教の世界には「日本人の緻密な知的営み、情熱的な全人的営みの跡を見る思いがし、心から感動する」(あとがき)と、著者が述べているように、本書を通して宗教的な深い意義と大きな魅力のあることを知ることができる。
評者:前田 壽雄(浄土真宗本願寺派総合研究所研究員)
掲載日:2012年06月11日