- 出版社・取扱者 : ダイヤモンド社
- 発行年月 : 2012年4月26日
- 本体価格 : 本体934円+税
目 次 |
古寺巡礼のその前に 日本仏教の母なる地「比叡山」を歩く 平安仏教の申し子円仁71年の生涯を読む 円仁ゆかりの世界遺産と名刹巡り 45歳からの遣唐使足掛け10年求法巡礼の旅 円仁の密教とゆかりの名宝 円仁ゆかりの550社寺一覧 |
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ダイヤモンドMOOK歴史探究シリーズ第1弾『親鸞の歩き方』に続いて刊行されたのが本書である。
円仁(794〜864)は、天台宗を伝えた最澄の弟子である。師亡き後、東北地方など各地を巡礼し、また比叡山で修行に励んだ。こうして円仁は名を成したのであるが、師・最澄の遺言をうけ天台宗における密教を整備するためと、教義上の疑問を解決するために、45歳で遣唐使として唐に渡った。唐滞在中の様子を記した『入唐求法巡礼行記』は世界3大旅行記の1つに数えられる。円仁は唐から多くのものを日本に伝えたのであり、念仏や声明も、日本においては円仁が伝えたものが源流と言われる。円仁開基と伝わる寺院は東北から九州まで各地にあり、とりわけ東北地方に多い。
一般への知名度は必ずしも高くないが、本書を通して、円仁が日本仏教に多大な影響をあたえた人物であることを感じられるであろう。
評者:多田 修(浄土真宗本願寺派総合研究所研究員)
掲載日:2012年07月10日