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西本願寺への誘い 信仰がまもり伝えた世界文化遺産
本の紹介
  • 岡村 喜史 (おかむら よしじ)
  • 出版社・取扱者 : 本願寺出版社
  • 発行年月 : 2012年5月1日
  • 本体価格 : 本体1,200円+税

まえがき
その一 御影堂(一)
その二 御影堂(二)
その三 阿弥陀堂
その四 対面所(一)
その五 対面所(二)
その六 対面所(三)
その七 白書院(一)
その八 白書院(二)
その九 白書院(三)
その十 雁の間
その十一 菊の間
その十二 雀の間
その十三 浪の間・太鼓の間
その十四 虎の間
その十五 狭屋の間
その十六 板戸
その十七 装束の間
その十八 南能舞台
その十九 北能舞台
その二十 黒書院(一)
その二十一 黒書院(二)
その二十二 虎渓の庭
その二十三 唐門(一)
その二十四 唐門(二)
その二十五 飛雲閣(一)
その二十六 飛雲閣(二)
その二十七 飛雲閣(三)
その二十八 黄鶴台
その二十九 経蔵
略年表
本願寺境内図
見取り図 <御影堂・阿弥陀堂>
<書院>

本書は季刊誌『季刊 せいてん』に連載された「本願寺の風景」を単行本化したもの。著者は真宗史の専門家である。世界遺産に指定されている西本願寺のなかでも、文化財の見地からひときわ注目される、書院群や飛雲閣などの建造物およびその内部の絵画や装飾品などが解説されている。その解説は、絵画ならば中国の故事などに遡っての画題の説明、建造物ならば当時の建造物との建築史を踏まえた比較考察など、専門的でありつつ、かつ、読む者を飽きさせない極めて興味深い内容となっている。

桃山様式を伝える本願寺の書院群の多くは江戸時代初期の建造とされているが、絵画をはじめ当時の装飾品が中国文化の大きな影響下にあったことを解説は教えてくれる。それと同時に、画題等に仏教教義との関連を明瞭に意識させるものが少ないことも特徴の一つに挙げられる。いずれにせよ、本書は西本願寺の文化財の魅力をあますところなく紹介した、傑出した「誘(いざな)いの書」である。


評者:石上 和敬(武蔵野大学准教授)


掲載日:2012年07月10日