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2022年度一緒に学ぼう 第10回「正信偈」⑩ 講座の内容

「一緒に学ぼう 西本願寺のおつとめ」は、聖典に説かれている内容を学び、一緒に声を出して唱え方を学ぶ講座です。  
今年度は、「正信偈」を中心に学びます。講座は「座学」と「実践」の二部に分かれ、前半の「座学」の時間は、総合研究所の研究職員が、「正信偈」に説かれている教えの内容について解説し、後半の「実践」の時間は、おつとめを指導する専門講師が、合掌礼拝などの作法や「正信偈」のとなえ方についてやさしくお伝えします。

第9回『新制 御本典作法』「正信偈」第一種(和讃譜)①

日時 2023(令和5)年2月21日(火) 10:00~11:30
会場 Zoom(オンライン開催)
講師 座学 溪 英俊(総合研究所研究員)
実践 阿満慎照(本願寺式務部知堂)
人数 33名

当日の内容

【前回の質問】

Q. 念仏加佗・宿縁讃・回向句も学びたいのですが。

A. 当講座はあくまでご門徒さまと一緒に唱和することを目的としておりますので、ここで取り扱うことはできませんが、本願寺ホームページに解説動画がございます。

https://www.hongwanji.kyoto/info/001059.html

  ご興味ございます方はまずこちらをご覧ください。その上で、詳しく学びたいという方がございましたら、各教区教務所に勤式指導員がおりますので、お手数ですがそちらにお問い合わせください。

Q. 和讃六首引の実践についても教えて欲しい。

A. 『和讃』の実践につきましては当講座第四回から第六回にかけて学んで参りました。開催内容について当研究所ホームページにて報告しておりますので、まずは下記をご参照ください。

真宗儀礼講座 – 浄土真宗本願寺派総合研究所 (j-soken.jp)

  また、当研究所としましても、次年度以降もおつとめの講座を開催したいと考えております。講座内容を検討する際にも。こちらのご意見を是非とも参考にさせていただきたいと思っております。

【座学の内容】

 最終回となる第10回目の座学では『正信偈和讃』の中、六首引和讃の後三首および回向句について学びました。

1.和讃三首

 はじめに「和讃」後三首の内容について学びました。
前回から学んできましたように、「弥陀成仏の~」より始まる六首の和讃は、阿弥陀さまの光のお徳をあらわしたものです。
 「光雲無碍如虚空」(『日常勤行聖典』42頁)では、阿弥陀さまの光は雲のように自由自在であり、どのようなものにも遮られることなく私たちのもとへと届く、そのお徳が讃嘆されています。
 「清浄光明ならびなし」(『同』44頁)では、阿弥陀さまの光は清らかであり、もろもろの仏がたの光も到底およばないすぐれた光であることが讃嘆されます。その上で、この光に出遇うものはかならず救われるという阿弥陀さまのお徳が見事に表現されています。
 「仏光照曜最第一」(『同』45頁)では、阿弥陀さまの光はどのような光よりもすぐれているため「光の王」と呼ばれていることが示され、どのような闇もたちどころに照らすその光の素晴らしさが讃嘆されています。
 このように和讃では、阿弥陀さまの光のお徳が十重二十重に美しい表現をもって讃嘆されているのです。そして、このご文をおとなえしている私たちもまた阿弥陀さまの光に照らされていることに気づかせていただけます。

2.回向句

 次に、「願以此功徳」(『同』同頁)の回向句について学びました。回向句すなわち「回向」とは、仏教全般で申しますと、自身が積んだ功徳を他者に振り向けることで、その方を菩提へと向かせるという行為です。端的にいえば、「自力の回向」ということができるでしょう。今の「願以此功徳」の回向句も「願わくはこの功徳をもって、平等に一切に施し……」と、自力の回向のように見ることもできます。しかし、今おとなえしている回向句は、阿弥陀さまのお徳を讃嘆したものですから、当然、「他力の回向」をあらわしたご文と見なければなりません。
 「この功徳」つまり、阿弥陀さまが成就してくださった「南無阿弥陀仏」の功徳によってあらゆる人びとがともに救われていく世界、それが阿弥陀さまのお浄土なのだということ、南無阿弥陀仏のお名号は分け隔てなくあらゆるものを救ってくださるのだということが示されたご文であると味わうべきものです。

以上のことを、座学の時間で学びました。

【実践の内容】

 第10回目の実践の時間では、前回と同様に、「新制 御本典作法」より「正信偈」第一種(和讃譜)のとなえ方について学びました。内容としましては前回の復習ですので、諸注意事項については前回、第9回の報告をご覧ください。
 なお、「和讃譜」は天台声明である「十二礼(和讃節)」を参考に作成されており、墨譜だけを見てもなかなか難しく感じます。しかし、四句で一つのパターンとなっていますので、何度も何度も繰り返しお聞きいただきおとなえいただき、身体でおぼえていただくのが習得への近道でしょう。
 そのような意味でも、上記質問でもご紹介いたしました、「新制 御本典作法」解説動画を是非ともご活用いただければ幸甚にございます。

 以上のことを実践の時間では学びました。

 10回にわたって学んでまいりました2022年度真宗儀礼講座もこれにてご満座となりました。ご参加くださいました皆さまにおかれましては、当講座を受講くださいまして誠にありがとうございました。また、アンケートにも多数のご協力をいただきました。重ねて御礼申し上げます。
 アンケートの結果やご意見を参考にさせていただきまして、来年度以降も浄土真宗のみ教えや作法に関する講座を計画させていただきたいと思っております。
 来年度以降も当研究所講座へのご参加を、研究職員一同、お待ちしております。