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2022年度一緒に学ぼう 第2回「正信偈」② 講座の内容

「一緒に学ぼう西本願寺のおつとめ」は、聖典に説かれている内容を学び、一緒に声を出して唱え方を学ぶ講座です。  
今年度は、「正信偈」を中心に学びます。講座は「座学」と「実践」の二部に分かれ、前半の「座学」の時間は、総合研究所の研究職員が、「正信偈」に説かれている教えの内容について解説し、後半の「実践」の時間は、おつとめを指導する専門講師が、合掌礼拝などの作法や「正信偈」の唱え方についてやさしくお伝えします。

第2回「正信偈」草譜・行譜

日時 2022(令和4)年9月13日(火) 10:00~11:30
会場 Zoom(オンライン開催)
講師 座学 溪英俊(総合研究所研究員)
実践 桃園裕成(勤式指導所主任)
人数 42名

当日の内容

【座学の内容】

 第2回目の座学では、『正信偈』の中、「依経段弥陀章」にあたる「法蔵菩薩因位時」~「必至滅度願成就」(『日常勤行聖典』6頁~10頁)までの内容について学びました。

1.阿弥陀さまはどのようにして仏になられたのか?

「法蔵菩薩因位時」から「重誓名声聞十方」までのご文では、阿弥陀さまはどのようにして仏になられたのかが『仏説無量寿経』(大経)という経典に依りながら示されています。
 阿弥陀さまは悟りを開かれる前までは、「法蔵菩薩」という名の菩薩さまでした。法蔵菩薩は「あらゆる生きとし生けるものを等しく救いたい」と願われ、その方法は何なのかをとてつもなく長い時間をかけて思惟されました。そして、あらゆるいのちを救うための願いをおこされ、ついにその願いを完成し、仏となられたのでした。
 その完成された願いこそが「私たちを信じさせ、念仏させ、浄土に往生させる」という第十八の誓願でした。このように、あらゆるいのちを等しく救いたいと願いを完成され、仏になられたのが阿弥陀さまです。そして、その完成された願いこそが、次でも示される「南無阿弥陀仏」の名号です。

2.阿弥陀さまはどのようにして私を救われるのか

 次に「普放無量無辺光」~「必至滅度願成就」のご文では、同じく『大経』の説示に依りながら、阿弥陀さまはどのようにして私を救われるのかが示されています。
 まず阿弥陀さまの「光明」について示されます。阿弥陀さまの光はどのようなものにも比べがたいすばらしい徳をそなえており、その光はあらゆるいのちを平等に照らしてくださっています。それは、「あらゆる命を等しく救いたい」という阿弥陀さまの願いがいま光となって私に届いているのだといただくことができます。
 次に、「本願名号正定業」(『日常勤行聖典』10頁)と、「南無阿弥陀仏」の名号による救いが示されます。先ほどもいいましたように、阿弥陀さまの第十八願は「私たちを信じさせ念仏させ浄土に往生させる」という願いです。注意しなければならないのは、「信じる」のも「南無阿弥陀仏」とお念仏しているのも、お浄土に往生するのも、すべては私の功績ではなく、阿弥陀さまがご用意してくださったものだということです。
 「南無阿弥陀仏」には「わが名を称えよ、必ず救う」という阿弥陀さまの喚び声であると親鸞聖人は示されました。そのお念仏を疑いなくいただくことが浄土真宗の「信心」です。この「信心」をいただくことで、私たちは阿弥陀さまの浄土へと往生する身とならせていただきます。
 以上のようなことが、「弥陀章」では示されています、

以上のことを、座学の時間で学びました。

【実践の内容】

第2回目の実践の時間では、草譜の唱え方について「本師曇鸞梁天子」(『日常勤行聖典』24頁)以降を、行譜の唱え方について「善導独妙仏正意」~「開入本願大智海」(『同』29頁)の四句を中心に学びました。要点を以下にまとめます。

1.草譜の唱え方について(前回の続き)

○「往還回向由他力」(『日常勤行聖典』25頁)

・「回(ね)」は一拍で。

・「力(りき)」の2文字目「き」は短くてもきちんと発音する。拍を乱すと息継ぎがむずかしいのでしっかり息継ぎをする。

○「証知生死即涅槃」(『同』26頁)

・「証知」「生死」には「引」とあるように音を倍に伸ばすが、「しょーうち」「しょーうじ」と「う」を発音する。難しい場合は口を丸めると「う」が聞こえやすくなる。

 

○「道綽決聖道難生」(『同』27頁)

・「道綽(どうしゃく)」の「く」を促音の「っ」と発音するのが西本願寺の読み習わし(唱読音)。

・「至安養界証妙果」(『同』28頁)

・「引」とある部分は拍を倍に伸ばしつつ、最後の「証妙果」で拍を外しながらゆっくりとなえて、一旦とめる。

 

○「善導独名仏正意」(『同』29頁)以降

・「ソ」の音から「レ」の音に下がり、また「ソ」に戻る。

・「善導~」以降の音は、「レ」「ソ」の二つしかない。

 

○「弘経大士宗師等」(『同』35頁)以降

・「引」が続くのでしっかり伸ばす。

・「唯可信斯高僧説」は草譜/行譜ともに同じ。

・最後は拍を落としながらゆっくり唱えて止め、最後に鏧を一打。

 

2.行譜の唱え方について

◎行譜の特徴について

・出音は同じ「レ」の音。

・草譜にあった四句下がりがなくなり、四句目も棒読みになる。

・「引」が四文字続く部分(「中夏日域」など)が一音高くなり「ミ」の音になる。

 

〇「善導独名仏正意」~「開入本願大智海」(『同』29頁)

・出音は「ソ」、そこから「ラ」(「善」の字)二字ガナの引の部分は、最  初1.5、二字目は0.5で読むのが基本形

・「独」はなめらかにとなえる。聞いて慣れて貰うのが近道。

・「明」で息継ぎ。基本的に「善導独妙」以降は、四文字で息継ぎをする。三句目は息継ぎなし。

・「意」の部分は8拍でとなえる。

 

○「矜哀定散与逆悪」

・「矜哀」は、「こうあい」の「う」で高い音にあがる。「こーう う↑ あーい」と二字ガナの途中で上がる。

・「悪」・・・「あー、あー、く」と下るのではなく「あー、あ、くー」と下がる。

・最初の四句のパターンを覚えていただくと、あとは(例外あるが)同じようにおとなえするとよい。

 実践の時間では、以上のことを学びました。