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戒の巻(シリーズ:思想の身体)
本の紹介
  • 松尾 剛次 (まつお けんじ) 編著
  • 出版社・取扱者 : 春秋社
  • 発行年月 : 2006年8月20日
  • 本体価格 : 本体2,000円+税

第1章 <戒>と日本仏教-破戒と持戒のはざまで(松尾 剛次)
第2章 一神教と<戒>-ユダヤ教的特徴(市川 裕)
第3章 <戒>と<律>-シャカムニの仏教(佐々木 閑)
第4章 <戒>の現代的意味-仏教に見る(沖本 克己)
対 論 日本人にとって<戒>とは何か(末木 文美士・松尾 剛次)
あとがき

本書は、シリーズ「思想の身体」(全9巻)の1冊である。同シリーズでは、文献資料だけでなく、民俗学などの研究成果にも目を配り、「人間生活の全体に関わるもの」として日本の思想・文化を捉え直すことを目標としている。

本巻のテーマは宗教的な規律 - 戒 - である。第1章では、松尾剛次・山形大教授が、戒律の社会的意義や戒律の復興運動を中心として、日本仏教における戒律の役割を論じている。第2章では、市川裕・東大教授が、ユダヤ教における戒律の役割を論じ、キリスト教・イスラム教における戒律の位置づけとの対比を行っている。市川教授は、各々の宗教の戒律がその「社会の型」を作り出しているのではないかと指摘している。第3章では、佐々木閑・花園大教授が、シャカムニ(釈尊)時代の仏教における「戒」と「律」の特質を論じている。第4章では、沖本克己・花園大教授が、日本でいま戒律の見直しを行うことの意味を問うている。最後に収録されている、末木文美士・東大教授と松尾教授との対論では、日本仏教に戒律が及ぼした影響や課題などが論じられている。


評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)


掲載日:2008年5月12日