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梅原猛、日本仏教をゆく
本の紹介
  • 梅原 猛 (うめはら たけし)
  • 出版社・取扱者 : 朝日新聞出版(朝日文庫)
  • 発行年月 : 2009年2月28日
  • 本体価格 : 本体700円+税

1 仏教の伝来
 (聖徳太子/役小角/行基/鑑真)
2 神と仏の融合
 (空海/最澄/円仁・円珍/空也・源信/覚鑁)
3 仏教の革命
 (法然/親鸞/一遍/明恵・叡尊・忍性/栄西/道元/日蓮/日親/蓮如)
4 仏教と芸術
 (西行/運慶・快慶・円空/無外如大・二条/夢窓疎石/一休/雪舟・千利休)
5 禅の展開
 (天海・崇伝/沢庵/白隠・隠元/良寛)
6 近代の仏教者
 (大谷光瑞・河口慧海/鈴木大拙・宮沢賢治)
あとがき
解説 末木文美士
四十二人の仏教者 略年譜

本書は、週刊朝日百科「仏教を歩く」(全30冊)に連載された「梅原猛の新『授業・仏教』」を書籍化したものである。この連載のタイトルは、著者が洛南高等学校付属中学校(京都)で行った授業を活字化したベストセラー『梅原猛の授業 仏教』を意識したものである。書籍化にあたってタイトルが変更されているが、『梅原猛の授業 仏教』と同様に、幅広い世代を対象にした書籍である。

著者は本書において、日本の仏教者42人を30項目に分け、それぞれの生涯・思想など様々な観点から論じている。どの項目から読み始めても良いし、興味のあるところだけを拾い読みすることもできる。

取り上げられている人物には、「仏教を歩く」の構成を反映して、仏教芸術家の名が目立つ。普段あまり顧みられることのない、彼らの「宗教家」としての側面を論じることにより、「甚だ芸術的な仏教」(あとがき)である日本仏教の一側面が明らかにされているのは、本書の特色の一つである。


評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)


掲載日:2009年11月10日