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まんがでおまいり 西本願寺の発見
書評
  • 岡橋 徹栄 (おかはし てつえい)
  • 一ノ瀬 かおる (いちのせ かおる)
  • 出版社・取扱者 : 本願寺出版社
  • 発行年月 : 2019年03月01日
  • 本体価格 : 本体600円+税

発見(1)! 仏飯の巻
発見(2)! 喚鐘の巻
発見(3)! 香炉の巻
発見(4)! お供物の巻
発見(5)! 松風の巻
発見(6)! 常香盤の巻
発見(7)! 御祝奠の巻
発見(8)! 沓石の巻
発見(9)! 邪鬼の巻
発見(10)! 埋め木の巻
発見(11)! 総門の巻
発見(12)! 唐門の巻
発見(13)! 逆さイチョウの巻
発見(14)! 献菊展の巻
発見(15)! 常灯明の巻
発見(16)! 太鼓楼の巻
発見(17)! 大谷本廟の巻(1)
発見(18)! 大谷本廟の巻(2)
発見(19)! 安穏殿の巻
付録 本願寺・大谷本廟案内地図
   西本願寺の主な年中行事

浄土真宗本願寺派の本山、西本願寺。参拝の時、「これは何だろう?」「あれは何のためにしているのだろう?」と思うものを見かけた人は、多いであろう。本書は、西本願寺のさまざまなものを、マンガで解説している。それぞれがどのようなものなのか、一目ですぐわかるのは、マンガの利点である。一つひとつの話は3ページ、しかもそれぞれの話が独立しているので、どこからでもすぐ読める。本書では、参拝の際に見かけるものだけではなく、その舞台裏も含めて説明されている。

同じものを見ていても、知って見るのと知らないで見るのでは、そこから受け取るものは大きく違ってくる。参拝の前に読んでおきたい一冊である。

本書が役立つのは、西本願寺参拝の時だけではない。本山である西本願寺は、各地にある本願寺派寺院さらには家庭の仏壇のモデルになっている。そのため、サイズや数などの違いはあっても、一般の寺院や仏壇と共通するものがよく見られる。身近な寺院への参拝や、日常の勤行の際に、「あれは何だろう?何のためにしているんだろう?」と思うことがあったら、本書を読んでみて欲しい。「本山のこれがもとだったんだ」と思えるものが、多く見つかるはずである。寺院にあるものや、そこで行われていることの意味がわかれば、より味わい深い参拝となるであろう。


評者:多田 修(浄土真宗本願寺派総合研究所研究員)


掲載日:2019年5月10日