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池上彰と考える、 仏教って何ですか?
本の紹介
  • 池上 彰 (いけがみ あきら)
  • 出版社・取扱者 : 飛鳥新社
  • 発行年月 : 2012年8月5日
  • 本体価格 : 本体1,300円+税

第一章 仏教って何ですか?
第二章 仏教発祥の地インドへ。ダライ・ラマ14世との対談
第三章 仏教で人は救われるのか?日本人にとっての仏教とは?
おわりに
参考文献

テレビ、雑誌、書籍等のメディアで大活躍の池上彰氏が、仏教にまつわる疑問に、4〜5ページで短く明解に答えていく。第一章は、「そもそも仏教って何ですか?」で始まり、「今、人を救う力を持つ仏教に出合うには」で終わる25の疑問で構成されている。25番目の疑問が端的に示すように、ここに並べられた問いは仏教を概説するためだけに用意されているのではない。仏教という宗教が、日本社会にとって魅力的であり、人びとの救いとなるための、問いかけがなされている。

第二章には、ダライ・ラマ法王との対談と、ダラムサラにあるナムギャル僧院の高僧タムトク・リンポチェとの対話が収録されている。

「仏教で人は救われるのか?」と題した第三章では、仏教が他人の幸せにつながるような言動を心がける心のトレーニングを教えとしていることなどを紹介し、現代社会における仏教の価値を、著者独自の視点から論じている。本書は、分かりやすさと奥深さの両面を持つ「仏教基礎講座」である。


評者:藤丸 智雄(浄土真宗本願寺派総合研究所教団総合研究室長)


掲載日:2012年11月12日