- 出版社・取扱者 : バジリコ
- 発行年月 : 2008年4月15日
- 本体価格 : 本体1,600円+税
目 次 |
はじめに 第一章 自我のバブルは続いている 第二章 宗教の本質について考える 第三章 出世の回路が開く道筋 第四章 「十牛図」で生きるプロセスをイメージする 第五章 「二河白道」で仏の呼び声を聞く 第六章 あなたは仏教を知っている 第七章 仏教を<聞く>、仏教を<感じる> あとがき 参考文献 |
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本書の著者である釈徹宗・兵庫大学准教授は「行動するブッディスト」と称され、多方面で活躍している。著者は、「近代社会とは、確たる『個人』が成立前提」であって、「個人」を規定する「自我」が重要な概念であり、「この『自我』がうまく機能していなければ、社会生活を営むことはできない」が、「近代という怪物に煽られ続けた」結果、今の私たちは「もはや自分でもコントロール不能なほど肥大した自我を抱えて苦しんでいる」と指摘する。
著者はそれに対し、「仏教は、近代というシステムとは違う方向性を持って」いると述べる。本書は仏教の知見を活用した「仏教生活」を送るための様々な方法や考え方を取り上げ、「進歩や効率こそ価値あること、という枠組みを一度はずしてみる」ことで見えてくる、「社会の外部へと通じる回路がある人生」を提唱する。
評者:鈴木 健太(教学伝道研究センター元研究助手、北海道武蔵女子短期大学専任講師)
掲載日:2008年9月10日