- 出版社・取扱者 : 自照社出版
- 発行年月 : 2008年4月10日
- 本体価格 : 本体1,200円+税
目 次 |
口絵 丸山顕子さんという不思議な人(山下 和夫) はじめに 1 生き死に 2 迷いの日々 3 目覚めへの道 4 救われてなお 5 癒し おわりに カウンセリング団体等連絡先一覧 丸山顕子さんの関連推奨品 |
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書名の「いっちょんひげん」とは、著者の故郷の言葉で「何もかも嫌だ。全然面白くない。総てが辛い」という意味。著者は幼い頃から自身の存在価値に疑問を抱き、数回自殺を図った。カウンセリングを受けたことで唯一の味方を得たと感じたが、「いつまでも頼ってばかりいられないとも思った。人間は、何かの事情で、必ず別れが来る。変わらずに死なない、もっと絶対的な存在に頼るしかない」(52ページ)とも考えた。やがて真宗カウンセリング研究会の存在を知り、そこで西光義敞(さいこうぎしょう)・龍谷大学教授(当時)と出会った。これが著者の人生の大きな転機となり、聞法に通うようになった。その後、劣等感に悩まされた時、ふと「あぁ、阿弥陀様は、こんな私でもいい、と言って下さるんだなぁ」(66ページ)と感じた。これが、「私が私であることを許されているという実感」(7ページ)であった。著者は「絶望してもいいから、生きて、そこからやり直して欲しい。絶望は愚か者の結論かもしれないが、愚かでもいい」(はじめに)というメッセージを記している。
評者:多田 修(教学伝道研究センター研究助手)
掲載日:2008年10月10日