- 出版社・取扱者 : 本願寺出版社
- 発行年月 : 2018年2月1日
- 本体価格 : 本体1,200円+税
目 次 |
はじめに 第1章 阿弥陀さま 第2章 お釈迦さまと親鸞さま 第3章 阿弥陀さまがごいっしょ(生活) |
---|
本願寺出版社では、さまざまな年代を対象にした入門書を発行している。これまで発行されたものとして、高齢者を対象とした『65歳からの仏教』、ティーンエイジャー向けの『13歳からの仏教』などがある。
このたび、小学生向けの入門書が発行された。それが本書である。「お寺の先生」が、小学生の「ぼく」と「わたし」に仏教の話をしていく形で話が進んでいく。
仏教書であるが、宇宙の話から始まっている。まず「お寺の先生」が、子どもたちに宇宙の様子を説明する。その話が一段落したところで、「科学の力で、宇宙など外の世界のことはずいぶんわかるようになってきた。でも、私たち自身のことはどうかな?」と、「お寺の先生」が問いかけると、子どもが「空をながめながら自分がどうしてここにいるんだろうって不思議な感じがした」と答える。
そこで「お寺の先生」が子どもたちに、「いのちってなんだろう」「何のために生きて、死んだらどうなるのだろう」といった、「生きていることの意味」は科学では答えられないと語り、いよいよ仏教の話に入っていく。
宗教を語る際、問題になりやすいことの一つが、宗教で語る内容が、科学の知見と異なることである。これについて本書は、科学でわかることと、科学と別の方法で知るべきことがあることを始めに語っている。これは、宗教について聞いてもらうための前提を理解してもらうことになる。この視点は子どもだけでなく、大人にも理解してもらいたいと評者は思う。