- 出版社・取扱者 : ポプラ社(ポプラ新書)
- 発行年月 : 2016年10月17日
- 本体価格 : 本体800円+税
目 次 |
「つながる仏教」のすすめ 僧侶のご紹介 第1章 日本人と仏教、知っているつもり? 第2章 死んだら人はどこへ行くのか 第3章 人はどこまで自由に生きられるのか 第4章 お寺とお坊さんはどうなるのか おわりに |
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仏教寺院や僧侶に対して、「とっつきにくい」と思っている人は、少なくないであろう。僧侶と接する機会は、法事のときぐらいという人も多いのではないだろうか。
そんな現状に対して、「仏教を身近に感じてもらいたい、いまをよりよく生きるために仏教を活かしてもらいたい」との思いから、さまざまな活動に取り組んでいる4人の若手僧侶の座談会をまとめたのが、本書である。4人の宗派は異なるが、いずれも仏教の魅力を広めるため、講座・講演や悩み事相談、メディア出演など多彩な活動に取り組んでいる。
座談会では、各自が教えや経験をもとにしながら語り合う。そのテーマは、死生観や幸福、行為の善悪など、生きることについての根本的な内容であるが、難しさを感じさせない。例えば終活について、「自分はいつか死ぬんだということをちゃんと留意した上で、いま、何をするのか?というのが非常に大切」と言い、仏教を通してそれに対する自分なりの答えが導き出されると言う。座談会で、4人の考え方が異なる場合もあるが、お互いに自分の見方を述べても他人の意見を否定しない態度は、好感的である。
仏教は、今をよりよく生きるための教えである。それを本書から感じてもらいたい。
評者:多田 修(浄土真宗本願寺派総合研究所研究員)
掲載日:2017年1月14日