目 次 |
生かされて生きる(村上泰順) 留学生に教えられること(白川晴顕) 悲しみを乗り越える(井上慶永) 光に遇う(西原祐治) 今、私たちに大切なこと(三宮亨信) 親の気持ちが親を動かせる(安方哲爾) あの人の置き土産(田井智彦) だいじょうぶ、だいじょうぶ(片江哲海) 功徳の大宝海(松嶋智譲) しりとほしたらばこそ(佐々木義英) 「幸せ」と「仕合わせ」(松本智量) 法身の光輪きはもなし(相馬一意) |
---|
本書は、本願寺出版社発刊の月刊誌『大乗』(https://hongwanji-shuppan.com/item/teiki.html?nbn=daijyou)の連載「暮らしの中の法話 みほとけとともに」をまとめて書籍化したものである。本シリーズは本書で3冊目である。大きな字でとても読みやすいうえに、短編法話集なのでどこから読んでも差し支えない。シリーズとして統一されたシンプルなデザインで、1冊買うと全種類揃えたくなる。
「やわらか」というタイトルが、妙に魅かれる。「法話」と聞くと、普段仏教・お寺に馴染みのない方々にとっては、自分と遠い存在と思うかもしれない。しかし本書は、そのようないわゆるはじめて仏様のお話を聞く人々にとっても、読みやすい内容である。
私たちは生きてゆく中で、自らの力では解決できない悩み苦しみに直面することがある。そんな時、人生そのものに対する問いが起こる。そのような問いに、どう対すればよいか、その手がかりが本書にはふんだんに詰まっている。「あとがき」に「この世にいのちを恵まれた人は、どんな人であろうと、いろいろな人やさまざまな言葉との出会いを生きる力にして、人生の困難や苦しみを乗り越え、また多くの慶びに包まれながら生きています。」とあるように、人生の困難や苦しみを乗り越え、慶びに包まれるに至る言葉に、本書で出会えるであろう。
評者:南條了瑛(浄土真宗本願寺派総合研究所委託研究員)
掲載日:2016年4月11日