- 出版社・取扱者 : 洋泉社
- 発行年月 : 2014年7月28日
- 本体価格 : 本体1,800円+税
目 次 |
スペシャル・インタビュー いきなりはじめる読経生活-この仏教経典がすごい!(釈 徹宗) プロローグ 仏陀-その人、その教え 釈迦八相図とともに見るブッダの生涯- 仏像で見る大乗教典の主役たち PART1 仏教美術でわかるお経 国宝「絵因果経」の世界 PART2 日本仏教クロニクル 名僧列伝 宗派別 葬式で読まれるお経 PART3 あなたはお経を知っている!お経と日本人 コラム お寺に泊まってお経が聞ける!書ける!宿坊体験 |
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本書は、仏教美術とともに様々な経典を解説する好著である。そもそも本書は、洋泉社MOOK『図説 お経の本』(2013年)を書籍化したものであり、巻頭インタビューとして釈徹宗氏の「いきなりはじめる読経生活-この仏教経典がすごい!」が付加された。
プロローグ「仏陀-その人、その教え 釈迦八相図とともに見るブッダの生涯-」では、釈迦八相図とともに「誕生~出家~降魔成道~初転法輪~入滅」について、生涯にまつわるエピソードと、釈尊(ブッダ)の教えが端的に語られる。
続く「仏教美術でわかるお経」では、『般若心経』から『金光明経』まで計13部の経典が取り上げられる。ここでは経典の内容紹介だけでなく、それぞれの経典に関する仏・菩薩像や絵巻経典、曼荼羅図、さらに経典一部の漢文と意訳がハイライトとして掲載される。これらに加えて、国宝『絵因果経』(東京藝術大学所蔵)が紹介される。これは、釈尊の前生そして釈尊の事跡を伝える経典『過去現在因果経』の経文に、絵を組み合わせたものであり、そこには「釈迦の教えをより身近に感じる」(78ページ)ための叡智が感じられる。
後半は、日本仏教の主要人物や、仏教が日本の文化や生活に深く関わってきた様子を描きだす。
ムック本は、大判でビジュアルが重視されているので、非常にわかりやすい。これだけ大量に仏教関係の写真が使用されているのにもかかわらず、比較的安価で手に入ることも、本書の魅力の一つだ。全体像がなかなか捉えられない仏教経典を、本書を通じて概観できたことを、心より感謝したい。