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料理僧が教えるほとけごはん 食べる「法話」十二ヶ月
本の紹介
  • 青江 覚峰 (あおえ かくほう)
  • 出版社・取扱者 : 中央公論新社(中公新書ラクレ)
  • 発行年月 : 2014年1月10日
  • 本体価格 : 本体840円+税

はじめに
氷解の章
薫風の章
流水の章
落葉の章
おわりに
参考文献

著者は、浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職。アメリカでMBA(経営学修士)の資格を取得した、異色の経歴を持つ。9.11同時多発テロを契機に自身の生き方に疑問を持ち帰国、実家の寺を継ぐ。現在、「料理僧」として、「食」を通して仏教を伝える活動に取り組んでいる。

本書では、四季折々の食材を使った「ほとけごはん」が紹介される。本書で言う「ほとけごはん」とは、いわゆる精進料理にこだわらず、著者自身が仏教の教えと向き合って考え、つくられた料理のことを指している。1月から12月までの各々の月ごとに、旬の料理とお菓子の2品が紹介されている。2品ともイラストが描かれており、レシピも付属している。全編を通じて、食を絡めた法話が展開されており、改めて「食べる」ことの意味を問わずにはおれない。親しみやすい文体とやさしさに溢れたイラストは、抜群の読みやすさを生み出している。特に、仏教書を手に取ったことがない方々にお勧めしたい本である。本書を傍らに、仏教の教えの深遠さを感じとっていただきたい。また、ほとけごはんについてもっと知りたい方は、同著『お寺ごはん』(2012年、ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参照されたい。


評者:上杉 泰成(浄土真宗本願寺派総合研究所研究協力者)


掲載日:2014年10月10日