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「在家佛教」1993~2005掲載講演集 悲喜をよろこぶ
本の紹介
  • 在家仏教協会 (ざいけぶっきょうきょうかい)
  • 出版社・取扱者 : 在家仏教協会
  • 発行年月 : 2012年12月1日
  • 本体価格 : 本体1,500円+税

刊行にあたって
すずやかに生きる(青山 俊董)
花筏(五十部 令脩)
こころの歌(衣斐 弘行)
すべてを受け取る(竹下 哲)
無明の転換(花山 勝友)
ほんとうのしあわせ(河村 とし子)
残り時間ゼロ(鈴木 格禅)
一仏教徒の覚悟(井上 信一)
流れに随って(野田 大燈)
生死を離れて仏となる(西田 正法)
悲喜を慶ぶ道(中西 智海)
生涯修行臨終定年(松原 泰道)
仏教と医療の協力(田畑 正久)
あとがき

本書は社団法人在家仏教協会の創立60周年を記念して出版された講演集である。在家仏教協会とは、僧侶ではなく
在家仏教者を中心として、特定の宗派にかたよることなく、「仏法を聞く定期的集会を開催することを最も重要な事業」(初代会長の加藤辯三郎)と位置づける団体である。また、在家の名称を冠してはいるものの「寺院や僧侶の後援を得て」活動する団体でもある。

本書は、同協会で行われた多くの講演のなかから、「仏教に詳しい知識のない方でも興味を持てるようなテーマで、平易な言葉で」語られた講演13編を集めたものである。独特の話術で聴衆を魅了した花山勝友、「南無の会」会長として仏法伝道に生涯を捧げた松原泰道、著名な経済人である井上信一、キリスト者から仏法に帰依した河村とし子、等々、今となっては謦咳に接することのできない懐かしい方々の講演も含まれており、興味が尽きない。いずれの講演も、自身の体験に根差した、読みやすい内容となっており、なかでも、仏教語をことさらに用いなくとも仏法をこんなにも魅力的に語ることができるのだということに驚かされる。このような講演は、仏法を深く自分自身のものとして、常に仏法を拠り所に歩まれた方々にして、はじめて為し得ることなのかもしれない。


評者:石上 和敬(武蔵野大学准教授、浄土真宗本願寺派総合研究所委託研究員)


掲載日:2013年4月16日