- 出版社・取扱者 : 岩波書店(岩波新書)
- 発行年月 : 2007年4月20日
- 本体価格 : 本体1,000円+税
目 次 |
はじめに 序章 ブッダ活躍の舞台 第1章 誕生から出家まで 第2章 悟りを開く-苦行と成道 第3章 伝道の旅 第4章 最後の旅-涅槃への道 [解説] ゴータマ・ブッダ-その人と思想(前田專學) あとがき-終末期のインド仏教とその後 |
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本書の特徴は、著者の豊富な取材と写真によって釈尊(ブッダ)の足跡を追い、仏教を生み出したインドの風土を読者に示すことにある。著者は1976年以来、12回およそ600日にわたってインドを訪れ、仏教遺跡や彫刻・絵画・石窟寺院などの仏教文化遺産を撮影してきた。それを通して、「そこには、釈尊の精神が今なお息吹いており、大地にぬかずく多くの巡礼者や大樹に坐し瞑想する人々の姿は、二五〇〇年の時空を超えて釈尊に近づき、その温もりを直に感じているかのようである」(「はじめに」)と述べている。
著者の撮影による豊富な写真は、釈尊在世当時の様子を想像させる。本文では、釈尊の生涯・思想・伝承を解説しながら話を進めており、釈尊ゆかりの地の光景や、仏伝にもとづく彫刻などの写真が収録されている。
巻頭にはインドの地図をカラーで掲載しており、位置関係を理解するのに大きな助けとなっている。
巻末に、前田專學・東京大学名誉教授による解説が掲載されている。
評者:多田 修(教学伝道研究センター研究助手)
掲載日:2008年4月25日