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必生 闘う仏教
本の紹介
  • 佐々井 秀嶺 (ささい しゅうれい)
  • 出版社・取扱者 : 集英社(集英社新書)
  • 発行年月 : 2010年10月20日
  • 本体価格 : 本体700円+税

はじめに(高山 龍智)
第一章 仏教との出会い
第二章 大楽金剛
第三章 闘う仏教
第四章 必生
おわりに(佐々井 秀嶺)
佐々井秀嶺師略年譜
用語解説(志賀 浄邦)
参考文献
[解説]佐々井秀嶺師、人と業績(野田 正彰)

仏教は今から約2500年前にインドの地で生れたが、14世紀以降、インドからはほとんど姿を消してしまった。しかし、近年、そのインドの地で、仏教の再興をめざす運動が起こっている。そして、その先頭に立って活躍している人物こそが、本書の著者である、日本生れの佐々井秀嶺氏(現在はインドに帰化)である。

本書は、佐々井氏が自身の生涯や、現代日本について感じたことなどを語ったものである。その記述は簡潔で良くまとまっており、本書は、佐々井氏を知る上で格好の入門書となっている。また、巻末には、志賀浄邦・京都産業大学講師による丁寧な用語解説が付されており、本書の背景について、より詳しく知ることが出来る。

なお、本書のタイトルにある「必生(ひっせい)」は、著者の造語。「なにかに全身全霊を込めて立ち向かわんとするとき、その気迫や信念を言い表せば、必ず生きる、の必生になる」(163ページ)という。まさに、本書に記された、佐々井氏の「生きる姿勢」そのものを象徴する一語である。


評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)


掲載日:2010年12月10日