HOME > 読む! > 仏教書レビュー > 本の紹介

奈良の仏像
本の紹介
  • 紺野 敏文 (こんの としふみ)
  • 出版社・取扱者 : アスキー・メディアワークス(アスキー新書)
  • 発行年月 : 2009年2月10日
  • 本体価格 : 本体762円+税

はじめに
1 日本最初の仏像とは 飛鳥寺釈迦如来坐像(飛鳥大仏)
2 金銅仏の輝き 法隆寺金堂釈迦三尊像
3 本格的木彫仏現る 法隆寺夢殿救世観音立像
4 半跏思惟というスタイル 中宮寺菩薩半跏像
5 塑像と乾漆の導入 当麻寺金堂弥勒仏坐像および四天王立像
6 荘厳なる白鳳仏 薬師寺金堂薬師三尊像
7 天平彫刻の典型 東大寺法華堂諸仏
8 国家規模の大鋳造 東大寺大仏殿盧舎那仏坐像
9 憂いに満ちた少年の表情 興福寺阿修羅立像
10 巨大化する乾漆像 唐招提寺金堂諸仏
11 一木造の登場と展開 唐招提寺木彫仏群
12 薬師の呪力を表す木彫像 新薬師寺薬師如来坐像
13 美しい平安仏の里 室生寺金堂諸仏
14 神宮寺に祀られた仏像 聖林寺十一面観音立像
15 伝承のお地蔵さま 矢田寺地蔵菩薩立像
16 最古の玉眼仏像 長岳寺阿弥陀三尊像
17 若き運慶の名作 円成寺大日如来坐像
18 美麗で生々しい快慶の傑作 東大寺僧形八幡神坐像
19 慶派仏師の圧倒的なリアリズム 東大寺南大門仁王像
20 運慶様式の集大成 興福寺北円堂諸仏

著者の紺野敏文・慶応義塾大学名誉教授は仏像彫刻史の権威であり、文化庁文化審議会専門委員として、文化財の国宝指定に関わっている。

本書は、奈良の仏像を歴史の流れに沿って取り上げ、解説するものである。対象を奈良の仏像に絞ったのは、奈良の地が「日本に初めて仏像が伝わり、初めて『やまと』の仏像が造られ、美しく育てられ、そして日本各地に仏像の手本を伝えた『原点』である」(はじめに)ためである。

法隆寺夢殿救世観音立像や興福寺阿修羅立像など、誰もが一度は写真などで目にしたことのある仏像について、最新の調査、研究を踏まえて解説している。また、取り上げる各仏像について、興味深い「謎」を設定し、その謎解きをしていきながら、鑑賞の際のポイントも示してくれる。近年の仏像ブームに便乗した類書とは一線を画した、中、上級者向けの仏像鑑賞ガイドである。


評者:爪田 一壽(教学伝道研究センター研究員)


掲載日:2009年6月10日