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『歎異抄』もの知り帳
本の紹介
  • 野々村 智剣 (ののむら ちけん)
  • ウイズ仏教文化研究会 (ういずぶっきょうぶんかけんきゅうかい)
  • 出版社・取扱者 : 法蔵館
  • 発行年月 : 2007年11月15日
  • 本体価格 : 本体700円+税

『歎異抄』の著者は誰?
河和田の唯円とは、どんな人?
河和田の唯円の没年月日の謎
『歎異抄』は、いつごろなぜ書かれた?
『歎異抄』は発禁本だったのか?
『歎異抄』は声に出して読むもの?
『歎異抄』は十八条で構成されている
『歎異抄』の内容をひとことで言うと
この一冊さえあればいい
日本を代表する古典文学
親鸞聖人の肉声が聞こえてくる
核心をやさしい言葉で
すべての人にこころの救い
親鸞聖人の九十年に及ぶご生涯
親鸞聖人略年表
前序の原文と現代語訳
なぜ書かなければならなかったのか
聖人と一対一で対話
第一条の原文と現代語訳
第一条に真実の教えを凝縮
私にとっての「浄土」とは
第二条の原文と現代語訳
関東から京都へ二十日以上の旅
なぜ親鸞聖人のもとへ
いのちがけの信仰の告白
第三条の原文と現代語訳
常識を大きくこえた教え
「善人なほもつて」は法然上人のお言葉
「罪ほろぼしの思想」と阿弥陀仏
第四条の原文と現代語訳
「聖道」と「浄土」の教え
聖道の慈悲と浄土の慈悲
第五条の原文と現代語訳
仏教と死者供養のかかわり
念仏による追善供養の否定
常識やぶりのおどろき
第六条の原文と現代語訳
善光寺の念仏聖として
人格的に平等の東国の念仏者集団
念仏者はわがよき親友
第七条の原文と現代語訳
「二河白道」のたとえ
「念仏者は」と「念仏は」
唯円をはげまし続けた言葉
第八条の原文と現代語訳
阿弥陀仏の願いが私の口やこころに
「ひとへに他力」にして
第九条の原文と現代語訳
第九条のみ問いが登場する
阿弥陀仏の前で共に一人の人間として
煩悩に迷う私だからこそ
踊り念仏から本願の念仏へ
第十条の原文と現代語訳
一切のはからいをまじえない
「義」にこだわった私
「後序」の感動的なふたつの法語
後序の原文と現代語訳
あとがき

本書は、野々村氏が「『歎異抄』を、できるだけ身近なものとして接していただきたい」(あとがき)と願い、刊行したものである。『歎異抄』への素朴な疑問からその魅力や味わいに至るまで簡潔な見出しをつけて、それぞれ1~2ページにまとめている。その見出しは目次にすべて記載されているため、興味のある内容から読み進めることもできる。

また野々村氏は、『歎異抄』の内容を端的に表現すると、「人間の善悪の問題と念仏による救いとの関係を中心に述べられている」(18ページ)と語り、第一条に浄土真宗の教えが凝縮されていることを強調している。

なお、第一条で説かれている重要な用語の解説や、前序・第一条~第十条・後序の原文と現代語訳も収載されている。


評者:前田 壽雄(教学伝道研究所センター研究員)


掲載日:2008年6月10日