- 出版社・取扱者 : 永田文昌堂
- 発行年月 : 2008年11月1日
- 本体価格 : 本体1,000円+税
目 次 |
序にかえて I 『歎異抄』とはどんな書物か II 『歎異抄』の異義とは III 『歎異抄』はいのちの書 あとがき |
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著者は、武蔵野大学教授。『歎異抄』を40年ほど読みつづけ、「歎異抄とともに」歩み、『歎異抄』に導かれ励まされてきたという。本書は、その魅力について語っている。
本書は「I 『歎異抄』とはどんな書物か」と「II 『歎異抄』の異義とは」で『歎異抄』全18条に関する著者の学びについて述べられ、「III 『歎異抄』はいのちの書」で『歎異抄』に関する著者の関心事が収められている。著者は、『歎異抄』には人間における根本的な問題が展開されているため、「わかりやすい書物ではない」ことを強調している。それは『歎異抄』が、親鸞聖人の示した教えや生き方を通して、「人間そのもののすがた」や「人間にとって救いとはなにか」を考えさせる書物である点に注目しているからである。
また著者は、読者に対して『歎異抄』の各条に自分なりのタイトルをつけ、整理することを勧めている。その目的とは『歎異抄』の内容を理解するばかりではなく、より身近な書物として『歎異抄』を感じることである。それによって、さまざまな発見があるとしている。本書は、そのような思いを抱くことのできる一冊である。
評者:前田 壽雄(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2009年6月10日