- 出版社・取扱者 : 春秋社
- 発行年月 : 2012年10月15日
- 本体価格 : 本体1,500円+税
目 次 |
はじめに−モノが語る禅(編者 玄侑 宗久) I 鳴らす II 着る III 行ずる IV 荘厳る あとがき 執筆者紹介 |
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本書は、禅寺で使われるさまざまな道具の由来や意味づけなどを解説したもの。臨済宗妙心寺派教化センター教学研究委員会の委員たちが『花園』誌に36回にわたって掲載した連載がベースとなっている。単行本化にあたり、元委員の玄侑宗久氏が序文を寄稿し、編修にあたっている(なお、本書の印税は、玄侑氏も深く関わっている震災復興活動の資金に供されるという)。
「禅寺は質素でシンプルなものだというイメージがある」(あとがき)が、実際のところ、物置に仕舞われて滅多に使われないようなモノも含め、禅寺にもたくさんのモノがある。
そうしたモノは、「鳴らす」・「着る」・「行ずる」・「荘厳(かざ)る」といった場面などで用いられるが、決して単なる道具にとどまるものではない。その一つ一つが、禅のココロを具現化し、支えているのである。読者は、本書を読むことを通して、モノの背景にある、禅のココロに触れ、それを身近なものとして感じることが出来るだろう。
評者:江田 昭道(浄土真宗本願寺派総合研究所委託研究員)
掲載日:2013年1月10日