- 出版社・取扱者 : 岩波書店
- 発行年月 : 2008年12月18日
- 本体価格 : 本体2,100円+税
目 次 |
プロローグ 第1部 書物の旅路 - 最古の経典の誕生と足跡 第1章 どのように成立したか 第2章 『スッタニパータ』の足跡をたどる - 伝承と展開 第3章 現代に生きる『スッタニパータ』 第2部 作品世界を読む - 仏教思想の源流 第1章 『スッタニパータ』をどう読むか 第2章 「ブッダたち」とゴータマ・ブッダ 第3章 輪廻に対する態度 第4章 無我の提唱 第5章 涅槃とは何か 第6章 縁起思想の萌芽 第7章 差別と平等 第8章 ゴータマ・ブッダの生涯 エピローグ - ゴータマ・ブッダは何を語ったのか 参考文献 『スッタニパータ』の経典一覧表 あとがき |
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著者は、佛教大学文学部教授。インド仏教、特に原始仏教・アビダルマ仏教を専門としている。
『スッタニパータ』は、「スリランカなど南方に伝承されて現存するパーリ語経典」(4ページ)である。仏教の歴史の中では、かなり早い時期に成立した経典とみられており、その中には、「仏教が一つの宗教として誕生し展開する最初期の世界が、みごとに表現されている」(2ページ)。
本書は、古典入門書のシリーズ『書物誕生』の1冊であり、他の巻と同様に、第1部「書物の旅路」と第2部「作品世界を読む」からなる。第1部は、『スッタニパータ』の成立史・伝承史および現在の姿を明らかにしている。第2部は、『スッタニパータ』の中に見える思想について分析を加えている。著者は「エピローグ」において、第2部での分析をもとに、ゴータマ・ブッダ(釈尊)の実像に迫っている。この他、巻末の「参考文献」では、『スッタニパータ』の翻訳・概説書が数多く紹介されている。
評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2009年2月10日