HOME > 読む! > 仏教書レビュー > 本の紹介

親鸞 他力の宗教 ドイツ講話集
本の紹介
  • 薗田 坦 (そのだ たん)
  • 出版社・取扱者 : 法蔵館
  • 発行年月 : 2007年5月30日
  • 本体価格 : 本体1,200円+税

まえがき
I 親鸞の教えと現代-報恩講によせて-
II 他力の宗教-親鸞思想の特質-
あとがき

ドイツのデュッセルドルフに、仏教伝道と日本文化紹介のための施設「恵光ハウス・日本文化センター」がある。同センターは毎年、親鸞聖人の遺徳をしのぶための浄土真宗の行事「報恩講」を営んでおり、その際には日本から講師を招き、「報恩講セミナー」も開いている。本書は、著者が、2003年・2004年の「報恩講セミナー」のために準備した日本語原稿に、補足・修正を加えたものである。

著者は、浄土真宗の報恩、他力(特に、二種深信・名号・浄土往生)についての思想を、親鸞聖人の文言の中に尋ね、解釈を加えている。但し、「親鸞ないしは浄土真宗の思想を中心としながらも、私なりにかなり自由に語ることを目指した」(「はじめに」)と断りをいれているように、外国人向けのセミナーとして、広く話題を取り上げ、宗教学・宗教哲学の観点から著者が自身の考えを述べている。

なお、本書は2007年に亡くなった、著者の従兄である岡亮二・龍谷大学名誉教授に捧げられたものである。


評者:網代 豊和(教学伝道研究センター研究助手)


掲載日:2008年4月25日