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親鸞 救いの言葉
本の紹介
  • 山崎 龍明 (やまざき りゅうみょう) 監修
  • 宮下 真 (みやした まこと)
  • 出版社・取扱者 : 永岡書店(ナガオカ文庫)
  • 発行年月 : 2010年10月10日
  • 本体価格 : 本体486円+税

はじめに いまに生きる真実のことば
第一章 あれこれ悩まなくていい-だれもが必ず救われる
第二章 できないことは無理するな−自分の「愚」に目覚めよう
第三章 いまの自分を大事にして−ダメな人間でもかまわない
第四章 心安らかに生きていこう−ありがとうを忘れずに
第五章 大きな愛のちからを信じて−あるがままに生きる
付録『歎異抄』(師訓篇原文)
親鸞略年表
用語解説

本書は、親鸞聖人の言葉の中から興味深いものを取り上げ、紹介している。それぞれの言葉は内容に応じて項目分けされており、項目ごとに魅力的な題が付けられ、読者の興味を惹く。一つ一つの言葉とその解説は3ページ以内に納められていて、読み切り形式になっているため、非常に判り易く手軽に読むことができるようになっている。

本書の内容に目をむけると、書名にもある通り「救い」という言葉がポイントとなっているようである。著者のいう「救い」とは「悟りという救い」(35ページ)である。本書は親鸞聖人が見出した「救い」の思想に注目しながら、言葉の紹介と解説をしていく。

さらに本書の特徴をあげれば、監修者の山崎龍明氏が記すように「仏教学者でもなく、宗教家でもないという著者の立場が可能にした、まったく自由な親鸞論」(はじめに)という点があげられる。読み手にやさしい、親鸞聖人の教えの入門書ともいえるであろう。


評者:網代 豊和(教学伝道研究センター研究助手)


掲載日:2011年5月13日