- 出版社・取扱者 : 法蔵館
- 発行年月 : 2007年4月18日
- 本体価格 : 本体3,200円+税
目 次 |
[上巻] はじめに-講座「現代社会と宗教」の果たす役割-(立命館大学教授・本郷真紹) 第1回 いのちを尊ぶ仏教(浄土真宗本願寺派門主・大谷光真) 第2回 いのちをケアする(神宮寺住職・高橋卓志) 第3回 自他の分別を超えて(真言宗大覚寺派宗務総長・坂口博翁) 第4回 日本仏教と戦争(前臨済宗妙心寺派祥福寺僧堂師家・河野太通) 第5回 二十一世紀は共生の時代(浄土宗宗務総長・水谷幸正) 第6回 宗教者の使命(薬師寺管主・安田暎胤) 第7回 劇場寺院の創造(浄土宗大蓮寺住職・應典院住職・秋田光彦) 第8回 宗教間対話の努力(比叡山延暦寺学問所所長・小林隆彰) 第9回 イスラームから仏教を見る(東大寺別当・森本公誠) 第10回 現代を生きる清水の心(清水寺貫主・森清範) 第11回 一滴の水も集まれば…(日蓮宗大本山池上本門寺執事長・早水日秀) 第12回 仏教と先祖教(法然院貫主・梶田真章) 第13回 現代に生きる禅の心(臨済宗相国寺派管長・有馬頼底) 第14回 現代の宗教教団(国学院大学教授・井上順孝) あとがき(読売新聞大阪本社常務取締役編集局長・河内鏡太郎) [下巻] はじめに-学生レポートから垣間見た宗教-(立命館大学教授・秋田典昭) 第15回 キリスト教と社会活動(カトリック名古屋教区司教・野村純一) 第16回 禅とは何か(臨済宗東福寺派管長・福島慶道) 第17回 森に生きる神道(秩父神社宮司・薗田稔) 第18回 カルトからの脱出(アッセンブリー京都教会牧師・村上密) 第19回 世界平和への責務(WCRP世界宗教者平和会議日本委員会事務総長代理・畠山友利) 第20回 都市寺院の現代的役割(一心寺長老・高口恭行) 第21回 情報と組織を排す(法相宗大本山興福寺貫首・多川俊映) 第22回 神仏習合と日本の宗教(三十三間堂本坊妙法院門跡門主・菅原信海) 第23回 世界遺産の霊場から(金峯山修験本宗宗務総長・田中利典) 第24回 現代のお遍路(善通寺執行長・樫原禅澄) 第25回 禅の文化・神の文化(天龍寺国際禅堂師家・安永祖道) 第26回 生と死の自己決定(NPOりすシステム代表理事・松島如戒) 第27回 和の精神(聖徳宗管長・法隆寺住職・大野玄妙) 第28回 いのちの教え(真宗大谷派前参務・安原晃) 第29回 現代日本の宗教現象(英国ランカスター大学教授・イアン=リーダー) あとがき(読売新聞大阪本社編集委員・永井芳和) |
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本書は、2005年度に立命館大学で行われたリレー講座「現代社会と宗教~日本編」の講義抄録などを収録したものである。教壇に立ったのは、「日本を代表する宗教者」30名(研究者2名を含む。本書には29名分の抄録を掲載)。
宗教者たちの講義は、教義的な事柄から社会問題と宗教の関わりまで、多岐に亘るテーマを扱っており、現在の日本の宗教が持つ様々な側面を映し出している。
講座のコーディネーターを務めた本郷真紹・立命館大教授は、「信仰心を共有しない対象」の「理性に問いかけて、自己を省みる機会を与えることこそが宗教者の使命」であり、本書を通じて「率直に自らを省みる機会と、その際の指標を感じ取っていただければ、(中略)この上ない喜び」(上巻3~4ページ)であると述べている。
なお、本書でも紹介されている、大谷光真・浄土真宗本願寺派門主の講義のより詳細な記録は、学生との間に交わされた質疑応答とともに『世のなか安穏なれ 現代社会と仏教』(中央公論新社)に収められている。
評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2008年4月25日