- 出版社・取扱者 : 平凡社
- 発行年月 : 2011年3月11日
- 本体価格 : 本体1,600円+税
目 次 |
カラーグラビア 日本の聖域・霊域(写真・藤田 圭一) インタビュー(高橋 惠子) 女優という職業、そして信仰(聞き手・千葉 望) 対談 経営者にとっての宗教(和田一夫×井上順孝) 特集 信仰と人間の生き方 柳宗悦という生き方(中見 真理) 神谷美恵子とスピリチュアリティ(堀江 宗正) 石橋湛山の立正安国と「小日本主義」(望月 哲也) 松下幸之助とPHP運動(坂本 慎一) 鈴木貫太郎の死生観(半藤 一利) 岸本英夫の「生死観四態」(釈 徹宗) 末綱恕一にとっての科学と宗教(高橋 秀裕) フリーマン・ダイソンの“宇宙の意思” ダライ・ラマ法王の“微笑み”(龍村 仁) テーマ 「無縁社会」における死の問題(村上 興匡) 「葬式は、要らない」から「墓は、造らない」へ(島田 裕巳) 医療における情報提供とスピリチュアリティ(加藤 眞三) <内海>に沈んだトラウマを聴く(宮地 尚子) 瞑想が閉じる世界、瞑想がひらく世界(葛西 賢太) 沖縄にみられる宗教の観光資源化(塩月 亮子) 平城遷都一三〇〇年(西山 厚) 北海道砂川市有地上神社違憲訴訟(塚田 穂高) 近代的親鸞像を超えて(末木 文美士) 『遠野物語』とは何か、という問い(赤坂 憲雄) 現代において、保田與重郎をいかに読むか(石川 公彌子) 聖書の語るイスラエルの建国神話について(秦 剛平) 国民的聖地から出会いの場へ(西村 明) アメリカ先住民の聖地と精神になぜ現代人はひかれるのか(阿部 珠理) セルビア代表のサッカーユニホームが語る宗教(ムスリン・イーリャ) メジュゴリエ 寒村に現れた聖母マリア(デラコルダ・ティンカ) ルーツとしてのヴードゥー教(佐藤 文則) ユーラシアの経済発展と宗教地図(堀江 則雄) 東方正教会の音楽(井上 まどか) テキサス州の教科書論争と宗教の関係(藤原 聖子) レポート ディープなパワースポット「霊域」への誘惑(藤田 庄市) SGI−USAの黒人ミュージシャンたち(リーバイ・マクローリン) 日本に固有の宗教洋楽は存在しない(伊東 乾) 現代英国のクリスチャニズムとゲイライトの関係(入江 敦彦) 韓国に渡った統一教会日本人女性信者の実態(中西 尋子) 日本人論と国家神道の関わり(島薗 進) 2010年データ集 2010年 国内ニュース・海外ニュース(岡本 倫子) 気になる人物の発言集・2010年の物故者(井上 まどか) 気になる数字・データ集(碧海 寿広) 映画・ビデオ・DVD(井上 順孝) 宗教がわかるBookガイド(高橋 典史・相澤 秀生) 話題の用語解説・新語解説(平野 直子) 索引 『宗教と現代がわかる本2011』の編集・刊行にあたって(渡邊 直樹) |
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『宗教と現代がわかる本』は、2007年以来、毎年刊行されている年鑑形式の書籍である。前年におきた宗教にかかわる出来事などを網羅して紹介するだけでなく、併せて、その背景・問題点などを分かりやすく提示している。また、巻末に付された索引も充実しており、本書の価値を高めている。宗教の「今」を知る上で欠かせない一冊である。
また、『宗教と現代がわかる本』では毎年、現代社会における「宗教」のあり方を考える上で重要と思われるテーマについての特集が組まれている。2011年版のテーマは、「信仰と人間の生き方」。神谷美恵子、石橋湛山、松下幸之助など、さまざまな人々の信仰に関する論考が並んでいる。また、高橋惠子氏へのインタビュー、和田一夫氏との対談も、同じテーマに沿ったものといえる。現代の日本では、「信仰」というと、否定的なイメージだけが先行しがちであるが、そのあり方が具体的な人物の姿を通して描き出されており、非常に興味深い。
評者:江田 昭道(教学伝道研究センター研究員)
掲載日:2011年10月11日