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司馬遼太郎と寺社を歩く
本の紹介
  • 司馬 遼太郎 (しば りょうたろう)
  • 出版社・取扱者 : 光文社(光文社文庫)
  • 発行年月 : 2010年1月20日
  • 本体価格 : 本体648円+税

東日本篇
京都篇
西日本篇
「司馬遼太郎記念館」への招待

作家・司馬遼太郎の作品には、「さまざまな寺や神社が登場し、そのありよう、その姿がいきいきと描かれて」(「はじめに」)おり、その魅力的な文章を通して往時をしのぶことが出来る。

本書は、彼の小説やエッセイで取り上げられた33の寺院・神社を、小説の抜粋(寺社が舞台となった場面)とともに紹介するアンソロジー。取り上げられている寺社は、北は函館の称名寺(『菜の花の沖』)から南は長崎の崇福寺(「慶応長崎事件」)まで全国各地にわたっており、「心頭を滅却すれば火も又涼し」という有名な偈にまつわる恵林寺(『国盗り物語』)、秀吉の「醍醐の花見」の舞台となった醍醐寺(『功名が辻』)、日露戦争時の日本海海戦を一望できたという沖ノ島(宗像大社沖津宮)(『坂の上の雲』)など、有名な場面にまつわるものも少なくない。

なお、本書には、寺社へのアクセス方法なども併せて掲載されており、実際に訪ね歩く際のガイドブックともなっている。


評者:爪田 一壽(教学伝道研究センター研究員)


掲載日:2010年3月10日