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見仏記 ゴールデンガイド篇
本の紹介
  • いとう せいこう (いとう せいこう)
  • みうら じゅん (みうら じゅん)
  • 出版社・取扱者 : 角川書店
  • 発行年月 : 2009年4月30日
  • 本体価格 : 本体1,400円+税

奈良 長谷寺・安倍文殊院
奈良 圓成寺・般若寺・白毫寺・新薬師寺
奈良→京都 岩船寺・清水寺
京都 法界寺・醍醐寺・隨心院
京都 蟹満寺・海住山寺・観音院・平等院
京都 禅定寺・橋寺
福島 八葉寺・金川寺・禅定寺
福島 勝福寺・願成寺・新宮熊野神社
福島 上于内薬師堂・恵隆寺・鳥追観音
和歌山 道成寺・浄教寺・慈光円福院
和歌山 安養寺・根来寺
兵庫 鶴林寺・浄土寺
あとがき

本書は、みうらじゅん氏(イラストレーターなど)と、いとうせいこう氏(小説家など)による仏像鑑賞旅行記=「見仏記」シリーズの第5巻である。

「見仏記」シリーズは、いとう・みうら両氏が訪ね拝観した各地の仏像を、いとう氏の文章とみうら氏のイラストで紹介するものである。サブカルチャー出身の2人による、「美術と宗教のどちらにも身を置かず、ただ双方を限りなく尊敬し、称え」(22ページ)る立場からの「見仏記」は、軽妙にして洒脱、笑いを誘うエッセイとなっていて、仏教を縁遠く感じていた若者らの目を仏像に向けさせ、昨今の仏像ブームの火付け役ともなった。

今回は「ゴールデンガイド篇」と題し、仏像のうちでも「マニアックは不可、メジャーどころにしぼって紹介」(10ページ)する。本書では有名な仏像を多数取り上げているので、読者は自分が拝観したことのあるものを、両氏の独特の視点で鑑賞しなおす、という楽しみ方もできるだろう。


評者:日野 慧運(教学伝道研究センター研究助手)


掲載日:2009年9月10日