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目 次	献詩（ゲーリー・スナイダー） 序文　夢窓国師を想う（臨済寺　阿部 宗徹） 夢窓疎石小伝（竹貫 元勝） 中世文化をきりひらいた夢窓疎石（熊倉功夫） 夢窓疎石の漢詩英訳（重松 宗育） 和歌から見た夢窓疎石の思想（島内 景二） 夢窓疎石と庭園（仲 隆裕） 夢窓疎石と大中寺（下山 光悦） あとがき 夢窓疎石略年表 夢窓足跡地図 英文略年表 英文目次・各章要旨

本書は、臨済宗妙心寺派の大中寺（静岡県沼津市）が開創７００年の節目を迎えるにあたり、その記念事業として出版されたものである。開山と伝わる夢窓疎石（１２７５〜１３５１）について、伝記や思想を総合的に紹介した内容となっている。執筆は編者の熊倉功夫・静岡文化芸術大学学長と竹貫元勝・正眼短期大学副学長を含め、６人がそれぞれの専門分野に基づいて担当をしている。

夢窓疎石は天龍寺庭園など多くの作庭を行った。また「七朝の帝師」とも呼ばれ後醍醐天皇からのものを始めとして７つの国師号を受けており、さらに足利尊氏・直義とも親しく交際し、政治との関係の深い人物とされる。しかし、こうした足跡はすべて禅僧としての本分に裏づけられたものであり、ダイナミックな思想ゆえのことである。夢窓疎石の思想は、政治の世界のみならず、「被差別民を含む文芸、芸能、造庭等にたずさわる者たちの理論と精神面」（７６ページ）にも繋がっていく。本書では、その思想を残された漢詩や和歌を中心にひも解き、丁寧に解説を施していく。